台北歴史散歩の旅 (16) 市内中心部(続き)および市内南部

午後に市内中心部の街歩きを再開。午前中に北東寄りの地域を廻ったので、残りの南西寄りの地域を主に歩いて行く。

まずは衝陽路と桃源街との交差点近くにある「合作金庫銀行」、この建物にはかつて台北信用組合が入っていた。小さいながらも左右対称の重厚な感じのする建物。 正面に3つ並ぶ窓の上にふくろうの彫刻がある。



博愛路を総統府方向へ進むと右手に見えてくるこの建物は「旧帝國生命」のビル。現在は台湾銀行の所有となっている。台湾銀行の本店は近くにある別のビル。正面から見るとどっしりとした構えやけど、写真のように斜めから見るとスマートな感じに見える。

中華民国総統府の1つ北のブロックにあるのが「台湾銀行」の本店。大きな建物で写真に入りきらない。元々は日本統治時代の発券銀行であった「台湾銀行」、今は台湾民間の「台湾銀行」となっている。

中華民国総統府は元は台湾総督府だった建物。デザインは東京駅を連想させる。

旅行中、この近所の政府の建物でも、特に警備が厳しいというところはなかった。だが、総統府の周りは歩哨が立っていて少し雰囲気が違った。正面からの写真を撮りたかったが、なんか良くない予感がしたので、総統府を背にして反対側の写真を1枚獲ったのがこの写真。それでも、ここで写真を撮ってはいけないと注意されて、早々に退散。

とはいえ、このままでは引き下がれないので、正面を過ぎて斜めから一枚撮影。目の前には軍の車が停まっていた。

これは西側からみた裏側の写真。赤レンガと白大理石のコンビネーションが美しい。

総統府を右に見て通り過ぎた先の交差点の筋向かいにあるのが「台北市立第一女子高級中学」、ここは台湾最初の女学校だったところ。

この交差点を西へ折れて貴陽街へと入る。左手に見えるのが「司法大廈」。ここは元は「台北高等法院」だったところ。

博愛路との交差点にあるのが「旧電話交換局」、今は「博愛路服務」となっている。のっぺりとした、ある意味モダンな建物。

その北隣が「国史館」。 元々は「交通局通信部」があった建物。

日本統治終了後は郵政総局として使われていたので、「国史館」となった今でも、建物の東南角にその名残が残っている。

国史館の北の長沙街を西に行くと桃源街との交差点に「婦連総會」がある。この建物は「陸軍軍官クラブ」だったところ。

そこから路を隔てて南側「最高法院」。これは新しい建物。

「最高法院」の西隣の敷地にあるのが「台湾電力株式会社社長宿舎」。見た感じ誰も住んでいる気配はなかったが、どう見ても宿舎じゃなくて邸宅。

以上で総統府とその西側の歴史的建物をほぼ網羅したので、南の方へ向かう。途中で目にしたのが、貴陽街にある「国軍歴史文物館」。建物の前にはミサイルや砲弾が展示されている。東西冷戦じだいから緊張は緩くなったとはいえ、台湾が2つの中国の緊張下にあることを改めて感じた。

延平南路と愛国西路との交差点のロータリーに残されているのが「南小門」、正式名称は「重熙門」。台北城の南辺には2つの南門があって、この門はその西寄りのもの。 ここから愛国西道沿いに歩く。

博愛路を超えた右側の塀の中にあるのが「自由之家」。ここは元は台湾銀行頭取の邸宅で、中華民国政府が摂取したあとは反共キャンペーンの社交場のようにつかわれていたということ。 今は手入れもされずに朽ちている。地図から判断すると、写真で遠目に写っているのがそれだと思うけど、定かではない。

「大同之家」はその東隣にある建物。台湾銀行上級職員の宿舎として使われていたが、日本統治終了後、政府要人の住居となったとのことだけど、今は誰も住んでいない。塀に囲まれているが建物の一部は外から見ることができる。

公園路との交差点のロータリーにあるのが「南大門 」正式名称は「麗正門」。たしかに、「南小門」よりやや大きい。

このロータリーの南側に位置するのが「専売局」が入っていたビル。現在は民間企業の「台湾菸酒股份有限公司」の建物となっている。建物の完成は1913年、クラッシックでありながら、古さを感じさせないこの建物の設計者は「監察院」や「総統府」の塔の部分を設計した森山松之助。

次はさらに南の南海路の方へ歩いて行く。市内中心部では総統府以外は厳しい警備を感じるところはなかったが、市内南部を歩くと、要所ごとに公安担当の警察官ではないかと見える人たちが立っている。この地区は政府要人の住宅が多いという話を聞いたことがあるが、そういう関係かもしれない。

南海路と重慶南路との交差点近くにあるのは「二二八國家紀念館」。 ここは台湾教育會館だった建物。通り沿いにL字型をした建物は外観も上品。中に入ってみると、階段、天井、柱など全てが優雅な造り。二二八事件関連の展示が行われていたが、二二八和平公園の内にある「台北二二八和平紀念館」と似ていて何が違うのかよく分からなかった。

その西隣にあるのが「台北市立建国高級中学」。ここの正面の風格ある建物は赤レンガで造られて「建国中学紅楼」と呼ばれている。1908年建築、建築家は近藤十郎。

さらに通りに沿って西に進むと右手にあるのが「国史歴史博物館」。これは国民党政府になってから建てられた中国風の建物。

その西側に広がるのが、「台北植物園」。中に入ってみると植物園というより公園のような感じの場所。

植物園の中にあるのが、「台湾布政使司衙門」。この門は清朝時代の役所の門で、元は城内にあったものが、台北公会堂の建築の際に、この植物園へ移築されたとのこと。

台湾風廟の派手な屋根を見慣れると、スリムで飾り気のない屋根がかえって新鮮に見える。

中庭も質素といえるくらいシンプル。なぜか門扉には人物の色彩画が描かれている。


台湾銀行(帝國生命會社舊廈) (台北市中正區博愛路)

台湾銀行 (台北市中正區重慶南路一段120号)

中華民国総統府 (台北市 中正区)

台北市立第一女子高級中学 (台北市中正区重慶南路一段)

司法大廈 (台北市中正区重慶南路一段)

博愛路服務(元台湾総督府電話交換局) (台北市中正区博愛路)

国史館 (台北市中正区長沙街一段)

婦聯總會 (台北市中正區長沙街一段)

最高法院 (台北市中正区長沙街一段)

台湾電力株式会社社長宿舎 (台北市中正区延平南路)

国軍歴史文物館 (台北市中正区貴陽街一段)

重熙門(南小門) (台北市中正區)

自由之家 (台北市中正区愛国西路)

大同之家 (台北市中正区重慶南路二段)

麗正門(南大門) (台北市中正区)

台湾菸酒股彬有限公司 (北市中正区南昌路一段)

二二八國家紀念館 (台北市中正區南海路)

台北市立建国高級中学 (台北市中正区南海路)

国立歴史博物館 (台北市中正区南海路)

台北植物園 (台北市中正区南海路)

台湾布政使司衙門 (台北市中正区南海路)


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