台湾周遊、列車と駅弁の旅(10) – 5日目(台北街歩き)

そろそろ昼時なのでまずは昼食。 目指すのは「金峰魯肉飯」。 台北駅からは台北捷運公司が運営する地下鉄MRT淡水線で2駅、中正紀念堂で降りればよい。
台北近郊の移動にはプリペイドカードのEasy Card(悠遊卡)を作っておくのが便利だが、今回の旅行はEasy Card使用圏外が殆どだったので自動販売機でトークンを都度購入する。トークンは見た目はプラスチックのコイン。


MRTに乗るときにはトークンの投入口を探してしまうが、改札機にタッチすればよい。

MRTの中。

中正紀念堂駅は台湾のメンツを掛けて作ったような豪華な駅。駅名表示も立派。

降りるときには改札機のスロットへトークンを入れる。

ちょうど昼時で「金峰魯肉飯」は店の外まで行列。

食べたのは、店名にもなっている魯肉飯(大45元、中35元、小25元)、写真は中。割と脂身の多い豚肉をトロトロになるまで煮込んだものをご飯の上に掛けたもの、漬物付き。おそらく、元は屋台で食べられていた庶民的な食べ物で、瑞芳の食堂では15元だった。 この店は、それよりは高いがそれでも十分安い。

肉焿湯45元。 豚ひき肉の団子が入ったスープでこれを注文している人が多かった。 味付けは薄味だけど肉の旨味が出ていて美味。

焢肉30元。 皮付きの豚肉の角煮。 脂が落ちているので見た目よりもあっさり。

魯蛋10元。 台湾で食べまくっている煮玉子だけど、魯蛋というくらいなので魯肉のタレで煮込んだものと想像。

人蔘雛50元。 手羽先と手羽元が入ったスープ。朝鮮人参風味がするが、鶏の下に入っているのは細い根っこ。 クコの実を浮かせてある。 これも薄味。

食事の後は歩いて中正紀念堂へ向かう。 途中の路上で売っていた蟹殻黄という饅頭。 後ろ髪を引かれつつ通過。

中正紀念堂はやたら広くででかい。




次に向かうのは台北228記念館。 途中、景福門の横を通り、

総統府を正面に見て、右折。

228和平公園の中に台湾228記念館はある。

228事件とは日本の敗戦による統治終了後、在住の台湾人と本土から渡ってきた中国人との抗争およびその後の台湾人迫害で、九份で撮影された映画「悲情城市」はこの時代の波に翻弄される一族を描いている。

今まで228事件の名前すら知らなかったが、内容を知ってみると当時の国民党政権が民衆に無差別発砲したり、その後も知識人に対する白色テロといわれるような弾圧、処刑など随分酷いことをしたと思う。 一方、被害者や遺族へ謝罪し、記念館や公園を作るということは、今の台湾には、振り返りたくない過去を直視して正しいことをしようという意思があるのだろうと思う。

台北228記念館には事件の発端から収束までの経緯や写真、殺害された人たちの遺品などが展示されている。


次に向かうのは故宮博物院。 先ほどと同じMRT淡水線で二二八公園駅から士林駅まで行き、あとはバスまたはタクシー。

地下鉄の中で化粧する人。

士林に到着。

時間節約のため、タクシーで故宮博物院へ。

今の特設展示。乾隆帝時代の展示物は台湾所蔵のものに加えて、北京の故宮博物院からこのイベントのために借用したものも含まれている。

館内は撮影禁止なので、ショップで撮影した東坡肉と白菜の写真。 あんまり似てない。

立ちっぱなしは結構疲れるので館内のカフェで休憩。 酸梅湯とタピオカ入りコーヒー。

外に出ると既に日は沈んでいる。 タクシーで士林駅へ戻る。

まずは台北駅へ戻って、預けた荷物をピックアップ。

次の目的地は牛肉麺屋、MRTの駅だと忠孝復興駅と南京東路駅の中間くらいなので忠孝復興駅から歩くことにする。 まずは、板南線で3駅先の忠孝復興駅へ。

忠孝復興の交差点には太平洋SOGOがあり賑やか。

喧騒を避けて、大通りから一本西側の安東街を北方向へ行く。ここは多少ひなびたところはあるが感じの良い通り。

八徳路二段に当って左に折れたところが目的の「林東芳牛肉麵」。店の前には既に20人くらいの行列ができている。

並んでいるのは地元の人ばかり。 これは期待できそう。

店は10人も入れない狭さ。

どうなることかと思っていたら、左隣り3軒くらいにある別店舗へ案内される。 どうやら、夕方からの混みだす時間に広い方の店を開けているようだ。新しくて綺麗だが、さっきの調理場の横の方が昔ながらの雰囲気だったので残念。

看板メニューの牛肉麺140元。 麺はやや太めで日本のうどんに近い感じ。 スープは透明であっさりめ。 柔らかく煮込んだ厚切りの牛肉が3枚。 僕は気にならないけど、八角の香りはあまり強くなくて、慣れない人でも食べやすそう。

こちらは半筋半肉麺190元。 牛肉麺にすじ肉を追加したもの。

冷たい小菜は冷蔵庫から自分で取ってくる方式。 温かいものは伝票で注文すれば厨房から持ってきてくれる。 ほとんどのものは30元。

食べたのは、豆干絲(左)と花干(右)。 豆干絲は干した豆腐を細く切ったもの。戻して、サラダのような味付け。 花干は油揚げを醤油味で煮たもの、日本で普通に家庭料理に出てきそうな味。

台湾旅行の最後に牛肉麺を食べることができたので満足。 ホテルへ行くために次の南京東路駅まで荷物を引いて歩く。大通りを行ってももつまらないので、また裏通り(たぶん遼寧街)を北上する。急に道が暗くなってちょっといやな雰囲気、しかし前方は明るいので進む。

すると急に賑やかな食堂街が開ける。仕事帰りと思しき人たちが鍋を囲んだりしてご飯食べているところ。 う~ん、6日程度の旅行だととても食べきれない。ここは再訪しなければ。
しかし、食事している人たちばかりで、お酒はおろかビールを飲んでいる人もひとりとしていない。台湾の人はどこで酒飲んでいるのだろうか?




食堂街を抜けるとすぐに南京東路駅。ここはMRTが高架上を走っていて駅も高架の上。しかし、この駅幅全体を支えているのは中央の柱だけ。 台湾、地震があるのにこんな構造で大丈夫なのか?
ともかく、ここからMRTを乗り継いでふたたび台北駅へ。

今夜のホテルは「City Suites Gateway Hotel(城市商旅-桃園航空館)」。 明朝のフライトが早いので、安全を期して桃園空港の近くにした。

しかし、桃園空港は不便過ぎる。MRTは開通していないし、鉄道を使っても最後はバスに乗り継ぐしかない。 しかもホテルは空港に近いといっても歩いて行ける距離ではないので、さらにタクシーが必要になりそう。 ならば、ホテルまで直接バスで行けないか探したら1961番のバスがホテルから350mのところまで通っていることを発見。料金は僅か90元。 Google乗り換え案内は役に立つ。
1961番のバスは台北西駅A棟から出ている。地下道からだとZ3出口を出た所。

1961番のバスの終点は桃園空港の先、ホテルを350m過ぎた大園というところのはず。バスターミナルの切符売り場のおばちゃんにCity Suites Gateway Hotelへ行きたいが大園で良いかと聞いても自信なさそう。 そのとき横にいたおじさんが身振りで大丈夫だから乗れと示すので、バスに乗り込む。 なんと、この人がバスのドライバーだった。

普通の路線バスなので乗客は仕事帰りの人たちで旅行者は我々だけ。 途中のバス停では列を作って待っている人がいるが、乗せるのは席数だけ。 満席近くなってこのバス停に来た時には、ドライバーが空席の数を数えて、5人だけ乗せ、あとのバス停は全部通過。

市街を抜けると高速道路をけっこう飛ばす。

乗客は次々と降りて行き、最後は貸し切り状態。 空港第1ターミナル通過。

第2ターミナルもパス。

最後は終点の大園の手前、ホテルの近くのバス停でもない横断歩道で停めてくれて、ホテルを指し示して降ろしてくれる。 親切なドライバーに感謝!

ホテルは道を渡れば目と鼻の先。

無事チェックイン。

ホテルの部屋からは降下してくる飛行機がよく見える。荷造りをして5日目終了。


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