3日目の行程は台南から台東を経て花蓮まで。 台湾を南回りで長駆、ほぼ半周する予定。 特に台東から北上する路線は有名駅弁スポットが連続する重要区間。
例によってホテルで朝食は取らず、早起きして外へ出かける。 目指すはサバヒー入りお粥を食べられる阿憨鹹粥。 途中の路上で魚を売っているおばさんに遭遇。 サバヒーを捌いて頭をきれいに並べている。中央の大きな魚はサーモン。
ホテルから5分程度で「阿憨鹹粥」に到着。 この店もかっては屋台だったが、その後この場所に店を構えたらしい。 なんだかガレージのような建物でおばちゃん4~5人が働いている。
メニューは油條を含めても8種類のみ。 虱目魚とはサバヒーのこと。
隣のテーブルで地元のおじさんが食べていたサバヒーのあら炊き(?)をご飯にかけたものと頭のスープも美味そうだったが、ここは初志貫徹でお粥、サバヒーと小ぶりの牡蠣が入った虱目魚肚粥と油條にする。
半身入りかと思ったが、1匹丸ごと入り。しかも、頭、尾、背骨だけでなく小骨まで丁寧に取り除いてフィレ状態。 白身で味はあっさりしているが腹のところにたっぷりと脂が乗っている。
店内はがらんとしたこんな感じ。
調理中のサバヒー。
大きな鍋でスープが煮えている。
ホテルへ別の路を通って戻る途中、路上に小さな市場が立っていたので見物しながら帰る。
魚屋では沖縄でよく食べられるグルクンを売っていた。
豚の塊肉。 生々しいが新鮮そう。
これは、ヒシの実。
八百屋の売り物はわりと普通。
足が黒いみたことのない鶏。
さっき見た魚を売るおばさんはサバヒーの処理を終え、サーモンをぶつ切りにして商談中。
そうこうしているうちに日が昇る。
ホテルをチェックアウトして台南駅へ。 工事中の台南駅駅舎。
駅前の朝の風景。
駅構内。 正面ファサードの縦に長い窓が特徴的。正面に見える案内所(服務台)で台東までの列車を尋ねる。 筆談OK。
隣の自動販売機は近郊各駅停車、自由席用みたいで指定席の急行(莒光號)、特急(自強號)の売り場は左に回ったところにある。
切符売り場、クレジットカード可。
今日の最終目的地は花蓮だが、台東で下車するので切符は台東まで。莒光號なら4時間掛かるが、乗り換えなし一本で行ける。
売店で駅弁を発見、買う、60元。
列車に乗り込み、
買ったばかりの弁当を検分。台南駅で買ったのに、ラベルには高尾駅舎の絵。「重量:450g±20g」というのが変に律義。 書いてある意味は良くわからないが、台鐵が台湾で有名な漫画家とタイアップしてキャンペーンいるらしい。
中身は、標準的な台鐵弁当で、排骨、豆腐、煮玉子、青梗菜のような野菜、漬物をご飯の上にのせたもの。 見た目は脂っこそうだが食べるとそうでもない。 醤油で煮込んだような色をしているが、味も薄め。
すぐに台湾第2の都市高雄に停車するが、ここは下車せずスルー。
指定席なので検札あり。
半分撤去されずに残った鉄橋、変な風景。
どこの街にもあるコテコテ屋根の寺院。 ここのは柱の彫刻も立派。
景色はより南国風に変わってくる。
大きな養魚場。 おそらくサバヒーを養殖していると思われる。
車内販売でも駅弁あり。 保温のためにダンボール箱に入れてある。
これが西海岸最後の海(南シナ海)の景色。 列車はここから山間部を抜けて東海岸へと進む。
東海岸へ抜けた所の停車駅大武。 後ろの海は太平洋。
ここからしばらく海沿いを走る。
台東駅に到着。
次の列車への乗継まで多少時間があるので駅の周りを歩く。 駅舎は新しく近代的。
駅を出て右側に小さなマーケットがあり、ここで台東名産の仏頭果を売っていた。
本物の代わりに仏頭果アイスキャンディー。
台東駅のマーケットで池上弁当を買えるという事前情報があったが、販売所は構内に移っていた。 しかし池上駅は台東駅から約50km離れた所にあり、なぜ台東駅で池上弁当を売っているのか疑問が残る。 もしかすると、これは偽の池上弁当かもしれないが、分からないときは食べてみる精神で1個買うことにする。
4種類あったので、黒胡椒鹹肉飯75元を買う。
乗り継ぐ列車は特急(自強號)。これで花蓮まで3時間弱。 途中、関山駅と池上駅で駅弁を買うのだが、両駅での停車時間は不明。 悪いことに指定席は9両編成の9号車と一番端。 ホームでの駅弁売りが来そうにない車両だ。
西海岸では社内のアナウンスは中国語と英語だったが、南部~東海岸へ来ると台湾現地の言葉と思しき聞き取れない言葉が加わって、3つの言葉でアナウンスされている。
列車に乗り込んで、とりあえず買ったばかりの台東駅池上弁当を検分する。
よくよくラベルを見ると「池上弁当」ではなく「池上飯包」の文字。 う~ん、怪しい、怪しすぎるぞ台東駅池上弁当。
開けてみると、中身はこんな感じ。ご飯に乗っているのは、叉焼、腸詰、煮玉子、豆腐、青菜、キャベツ、大根の漬物。 今までの台鐵弁当よりも具の種類が多く、それぞれがおいしい。 そして特筆すべきはご飯が旨いこと。 この地域では、関山米、池上米とブランド米が売られていることからも分かるように米の名産地。 この弁当のご飯はやや固めの炊き加減でおかず無しでもたべられるくらいうまい。由来は怪しいが、台東駅池上弁当、良し。
台東駅から約30分で関山駅に到着予定。 ここで駅弁を買うためには不利な9号車から事前に中央の5号車へ移動しておく。 そして、関山駅到着と同時にホームへダッシュ。
すぐ近くに「便當~」と叫んでいる売り子のおばちゃんを発見。 他の買い手が集まる中、関山弁当70元ゲット。 売る方も手慣れたもので、お釣りの30元をあらかじめパックしてある。
そして中身は、これ。 腸詰、煮玉子、豆腐、大根の漬物は先の台東駅池上弁当と同じ。 さらに大ぶりの叉焼、練り物の天ぷら、フリッターのようなものが乗っている。 ご飯が見えないくらいに盛られたそれぞれの具もさることながら、この弁当もご飯がうまい。 さすが、関山米。
関山駅からさらに進むこと13分で次は本命池上駅。 再び5号車へ移動して待機。 停車と同時に降りて売り子を探す。 隣の車両前に発見してダッシュ。
池上駅池上弁当70元ゲット! この駅での停車時間は僅か2~3分しかなく、発車のベルが鳴り出したので慌てて社内へ帰還。
ラベルはさっきの台東駅池上弁当とは全く違う、伝統と風格を感じさせるデザイン。 名前も「池上鐵路月台便當」と月台(=プラットフォーム)売りを誇りにしている感じがする。
席に持ち帰って中身を検分。
叉焼、腸詰、煮玉子の定番をしっかり押さえたうえで、関山弁当と同じくフリッターのようなもの。 野菜は青菜に人参が加わる。 大根の漬物は刻んだものではなく塊、さらに生姜付き。 そして、叉焼の下には田麩が隠されている。 ご飯は先の2つに比べると気持ち柔らかめだが、池上米の名に恥じないうまさ。
こうして駅弁でお腹いっぱいになって花蓮に到着。
花蓮の駅舎は至って平凡。
そして、駅前に広大な広場があるだけで、がらんとした感じ。台湾頭部の主要都市なのに駅前から連想する喧騒が全く感じられない。 後で分かったことだが現在の花蓮駅は元々花蓮港駅という名の駅を改名したもので市街の中心部から離れている。 旧花蓮駅はいまよりも海岸近くにあったらしいが廃駅となり撤去されている。
今回の旅行は鉄道を利用するので駅から歩いて行けるホテルを選んだが、結果として街外れになってしまった。 ともかく駅からホテルへ向かう。 町の景色は殺風景というか活気がない。
ここにも檳榔屋。 店先で檳榔を巻いている。
途中にあったアーケード。 平日の夕方なのに開いている店がない。
10分程歩いてホテル(Beauty Stay – 漂亮生活會館)に到着。 ここはマンションと同居する3階までの小さなホテルだが、最近リノベートされらしく、今風のデザインで綺麗。
チェックインして一休み。 夜の作戦を練る。
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