Chromebookのメディア再生機能を調べる

Chromebookには明示的なアプリとして「メディアプレイヤー」が付属しない。Chromeウェブストアを探しても、「メディアプレイヤー」アプリは見つからない。しかし、Chrome OSにはシンプルな「メディアプレイヤー」の機能があって、思ったより多くのファイル形式をサポートしている。サポートされているファイル形式の一覧は、Chromeのヘルプによると、

Microsoft Office ファイル: .doc、.docx、.xls、.xlsx、.ppt（読み取り専用）、.pptx（読み取り専用）。
メディア: 3gp、.avi、.mov、.mp4、.m4v、.m4a、.mp3、.mkv、.ogv、.ogm、.ogg、.oga、.webm、.wav
画像: .bmp、.gif、.jpg、.jpeg、.png、.webp
圧縮ファイル: .zip、.rar、.tar、.tar.gz（.tgz）、.tar.bz2（.tbz2）
その他: .txt、.pdf

これらはChromebookのローカル（Downloadフォルダ）にファイルを置いた場合のことなので、ファイルがオンラインストレージにある場合はどうなるのか調べてみた。

まずは、ドキュメントファイル

		(A)	(B)	©	(D)	(E)	(F)	(G)
File Type		Chromebook	Google Drive	Sky Drive	Dropbox	SME Cloud	ZeroPC	Joli Drive
pdf	View	OK	OK	OK	OK	Google Doc	OK	OK
txt (Sift_JIS)	View	OK	OK	–	OK	Google Doc	–	OK
	Edit	–	–	–	–	–	–	–
txt (UTF-8)	View	OK	OK	–	OK	Googleドキュメント	–	OK
	Edit	–	Google Doc	SkyDrive	–	–	OK	–
docx	View	OK	OK	OK	–	Google Doc	Google Doc	OK
	Edit	Quick Office	Googleドキュメント	Web App	–	Zoho Office	–	–
xlsx	View	OK	OK	OK	–	Google Doc	Google Doc	OK
	Edit	Quick Office	Googleスプレッドシート	Web App	–	Zoho Office	–	–
pptx	View	OK	OK	OK	–	Google Doc	Google Doc	OK
	Edit	–	Googleスライド	Web App	–	–	–	–

表の読み方は、

A – ChromebookのローカルファイルをFilesからタップした場合
B – Google Driveに置いたファイルを標準のWebインターフェイスからタップした場合
C – SkyDriveに置いたファイルを標準のWebインターフェイスからタップした場合
D – Dropboxに置いたファイルを標準のWebインターフェイスからタップした場合
E – Google Drive、SkyDriveまたはDropboxに置いたファイルをSME Cloud Explorerからタップした場合
F – Google Drive、SkyDriveまたはDropboxに置いたファイルをZeroPCからタップした場合
G – Google Drive、SkyDriveまたはDropboxに置いたファイルをJoliDriveからタップした場合

「OK」は標準機能で見ることができる、あるいは編集することができる
「-」はその機能がない、あるいは正しく機能しない（表示しない、文字化けするなど）
「Quick Office」などは使えた外部アプリ

ここでのポイントは、

PDFファイルを見るのは問題なし。
TXTファイルはWindowsで作ったものをChromebookで編集するならUTF-8で作っておくこと。Shift_JISで作ると見るのはOKだが編集しようとすると文字化けしてしまう。
UTF-8のLocal TXTファイルの編集を「-」としたが、Chromeアプリのエディタを追加すれば可能。
Office系のファイルの編集はSkyDriveに置いたファイルをOffice Web Appで行うのが互換性が高く強力。
Google Driveに置いたOfficeファイル、例えばXLSXはそのままでは編集できないが、Googleスプレッドシート形式に変換することでオンラインで編集できる。編集終了後にXLSX形式に戻すにはダウンロードする必要がある。
面白いのはDOCX、XLSX形式のローカルファイルの編集にQuick Officeが起動すること。Quick Officeの互換性は本家には敵わないがGoogle Driveのアプリよりも優れているので、近い将来Google DriveのアプリがQuick Officeに置き換えられるのではないかと思われる。

次に画像ファイル

File Type		Chromebook	Google Drive	Sky Drive	Dropbox	SME Cloud	ZeroPC	Joli Drive
jpg	View	OK	OK/OK	OK	OK	OK	OK	OK
png	View	OK	OK/OK	OK	OK	OK	OK	OK
gif	View	OK	OK/OK	OK	OK	OK	OK	OK
bmp	View	OK	OK/OK	OK	OK	OK	OK	OK

画像ファイルのビュアーは他に比べて簡単なためか、全てOKだった。ただし、SME CloudとZeroPCはオンラインにあるファイルをそれぞれのサーバー経由で持ってくるみたいで表示速度の面で実用性が低い。

Google Driveではまずオーバレイでデフォルトのビュアーが立ち上がり、そこからボタンを押すことでGoogle Driveのビューアーが新しいタブで立ち上がる。そのため、２つを列記してある。

続いて音楽ファイル、

File Type		Chromebook	Google Drive	Sky Drive	Dropbox	SME Cloud	ZeroPC	Joli Drive
mp3	Listen	OK	OK/-	–	OK	OK	OK	OK
ogg	Listen	OK	OK/-	–	–	–	–	–
wma	Listen	–	-/-	–	–	–	–	–
AAC	Listen	–	-/-	–	–	–	–	–
ra	Listen	–	-/-	–	–	–	–	–

ここでは一転してMP3以外のサポート状況が良くない。まあ、MP3があれば十分ではあるが。

最後は動画ファイル、

File Type		Chromebook	Google Drive	Sky Drive	Dropbox	SME Cloud	ZeroPC	Joli Drive
mp4	View	OK	OK/OK	OK	OK	OK	OK	OK
mov	View	OK	OK/OK	OK	OK	–	–	OK
flv	View	–	-/OK	–	OK	OK	OK	–
mkv	View	–	-/OK	–	OK	–	–	–
3gp	View	OK	OK/OK	OK	OK	–	–	–
webm	View	OK	OK/OK	–	OK	–	–	OK
wmv	View	–	OK/OK	OK	OK	–	–	–
mgp	View	–	OK/OK	OK	OK	–	–	–

ここではDropboxのサポートの充実度が際立つ。 Google Driveもサポートはよいが、１ステップ余分に手数が掛る。 SME CloudとZeroPCは画像ファイルと同様にスピードの点で問題あり。JoliDriveはサポートは限定的だが、自分で対応できないものはそれぞれのオンラインストレージの機能へリダイレクトすることができるので、割りきって考えれば悪くないかもしれない。

結論

PDFと画像ファイルは少量ならローカル、オンライン、どこに置いても良い。大量の画像ファイルを扱うならFlikrやPicasaを使うのが現実的。
TXTファイルはUTF-8で作ってSkyDrive以外に置く。
音楽ファイルはオンラインに蓄積するならGoogle Play Musicが容量、機能ともに優れている。少量のMP3ファイルならDropboxか。
動画ファイルはLocalで処理できないタイプのファイル（FLVなど）でも、オンラインに置くことでストリーミング再生できる。 Chromebookのローカル容量が小さいことを考えれば、DropboxあるいはGoogle Driveを利用するのが良さそう。
SME CloudとZeroPCはファイル操作のフロントエンドとしては良く出来ているが、メディアファイルの再生には向いていない。