テザリングかモバイルルータか?
ここ数年、海外旅行のたびにプリペイドSIMを買うのがあたりまえになっている。夫婦2人で使うので、どちらかのスマホ(Android)にプリペイドSIMを挿してテザリング、もうひとりがWiFiで接続、あるいは古いAndroidスマホをテザリング甩ルータとして使い、2人ともWiFi接続という使い方をしてきた。
この使い方では、ルータとして使うスマホのバッテリーの減りが早く、安心して1日使うためには大きめのモバイルバッテリーに繋ぎっぱなしにする必要があること。
また、日本で売られているAndroidスマホの対応周波数バンドは、アジア、ヨーロッパでは問題にならないが、アメリカで使うには主要なバンドをサポートしておらず、使えないか使えても遅いスピードになってしまうこと。
モバイルルーターの検討
2018年4月時点で販売されている製品のうち、売れ筋と思われるNECのMR05LN、HuaweiのE5383、そしてGlocalMeのG3のスペックを比較したのが下の表。
NEC MR05LN | Huawei E5383 | GlocalME G3 | |
LTE受信最大 | 375Mbps | 300Mbps | 150Mbps |
FDD-LTE | 1/3/8/11/18/19/21/17 | 1/3/19/21 | 1/2/3/4/5/7/8/9/17/19/20 |
W-CDMA | 1/5/6/8/19 | 1/6/19 | 1/2/4/5/6/8/9/19 |
無線LAN規格 | ac/n/a/g/b | ac/n/a/g/b | ac/n/a/g/b |
SIMカード | nanoSIM×2 | MicroSIM | nanoSIM×2 |
クラウドSIM | ☓ | ☓ | ◯ |
ディスプレイ | 2.4″ | 2.4″ | 4″ |
バッテリー | 2500mAh | 3000mAh | 5350mAh |
連続動作時間 | 14時間 | 13時間 | 15時間 |
本体サイズ(mm) | 63×115×11 | 58.0×95.0×16.4 | 126.5×65×19 |
重量(g) | 115 | 120 | 240 |
実売価格 | 20,000円 | 8,390円 | 20,990円 |
海外、特にアメリカで使う場合、3GがW-CDMAのキャリアはAT&T、T-Mobileまたはこれらの回線を使ったMVNO。これらでLTEを使うにはBand 2または4、できれば両方をサポートしていないと厳しい(アメリカのバンドは以前に調べたときのブログ参照)。この時点でNEC、Huaweiともに脱落でGlocalME一択になってしまう。
GlocalME 3Gは表に記載したバンド以外にも、使う可能性は低いが、GSM、CDMA/EVDO、TDD-LTEと幅広い。
GlocalME 3GのLTEの最高速度は150MbpsでNECやHuaweiに見劣りするが実用的には問題ない。バッテリーの容量が大きく、そのため重量が増えている割には連続動作時間があまり変わらないのはNEC、Huaweiがルータ専用の設計になっているのに対して、GlocalMEはAndroidをカスタマイズしたOSを搭載した汎用的なハードウェアを採用しているのが一因かもしれない。
さらに、NEC、Huaweiが物理的なSIMカードを刺して使うルータであるのに対して、GlocalMEは同様の使い方に加えて、クラウドSIMという滞在国に適したSIM情報をクラウドからダウンロードすることであたかもその国のSIMを装着したかのように使える機能がある。
GlocalME G3を買う
製造元は中国の会社なので海外から輸入することも検討したが、送料を加えると価格メリットはほとんどないので日本のAmazonから購入した。
到着したパッケージはスマホと同程度のサイズ。
本体の色は白とグレーがあったので白を選択。英語と日本語のマニュアルが付属するが、日本語のてにおはは少々あやしい。アプリはAndroid甩とiOS甩の両方があるが、マニュアルはiOSについて書かれてある。付属品は充電用のマイクロUSBケーブルとSIMトレイを開けるためのピンのみで、充電器は付属しない。
今度の旅行では、このモバイルルータにVodafoneアイルランドのSIMを入れて使う予定だが、機会があればクラウドSIMも使ってみようかと思う。
出発前に、日本でできるセットアップと動作確認を行っておく。