今日の映画 – ワンダーウーマン(Wonder Woman)

Wonder Womanのポスター

映画レビュー

「マーベル・コミックス」のライバル「DCコミックス」のヒーローがクロスオーバーする「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズの映画。シリーズでは、「マン・オブ・スティール」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「スーサイド・スクワッド」に続く4本目。

シリーズのヒーローのうち、Aクラスを集めたのが「ジャスティス・リーグ」で主要キャラがバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン。ワンダーウーマン単独の映画はこれが初めてであるが、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の最後の20分くらいで何の前触れもなしにワンダーウーマンが参戦してくるのが初登場。悪者レックス・ルーサーが作ったクリプトン星由来の怪物と戦うが、スーパマンに劣らぬ戦闘能力を見せる。バットマンは強化服を着ているが生身の人間なので戦闘場面では分が悪い。結局スーパーマンが死んで、その埋葬を離れたところからブルース(バットマン)と並んで見ているダイアナ(ワンダーウーマン)が、「100年前人類から距離をおいた、恐怖の世紀からね。」と言うセリフがある。

この映画は第一次世界大戦まで約100年遡った時代のワンダーウーマンが世に出た時の話。女だけが住むアマゾン族の王女がダイアナ(ガル・ガドット)で、その島を見つけたドイツ軍と連合軍のスパイ、スゲィーブ・トレバー(クリス・パイン) という設定。秘密の島が簡単に発見されたり、ダイアナが世界を救うためにスティーブと一緒に島を出ると直ぐにロンドンに到着するところはご愛嬌。

島での格闘の練習では人間並みだったのが、いきなり前線に出ていって、ドイツ軍の弾丸を腕輪で弾きながら一人突進していくところで只者ではなくなり、とにかく気持ちよく暴れまくる。映画の中で何の説明もないが、時間とともに戦闘能力は人間離れして、最後はゼウスの息子で悪の元締めアレスと超人の戦いを繰り広げる。最初の話では、ダイアナの母親が粘土で作った体にゼウスが命を吹き込んだと言われていたが、実はダイアナはゼウスとアマゾン族の母親との間の娘だったことが判明。道理で人間離れしてるわ。ライバルのマーベルでも「マイティ・ソー」兄弟は神話出身なので、ギリシャか北欧かの違いはあるが似たようなもん。

娯楽映画として、映像、アクションともに楽しめるが、ダイアナの能力が高まっていくところの説明があっても良かったのではと思う。人間として育てられたダイアナからワンダーウーマンへ覚醒していくプロセスとも見えるが、そんな強いねんやったら出し惜しみするなよという気になる。あと、クリス・パインが引き連れる三馬鹿トリオみたいなのが、しょぼすぎ。クリス・パイン自身もワンダーウーマンの添え物みたいで影が薄かった。

コミック原作の映画の中では、世間の評価が高いようで、ちょっと意外な気がする。映画の出来としては、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の方が超能力を持つが故に神に近づくスーパーマンと人間バットマンとの対立や苦悩を描いていて奥が深いと思うねんけど。主役が女性ということで、見られ方が違うのかも知れんけど。

「DCエクステンデッド・ユニバース」の次の映画はそのタイトルも「ジャスティス・リーグ」。バットマンがリクルートする「アクアマン」、「フラッシュ」、「サイボーグ」といった日本ではあまり有名でない超人と一緒にワンダーウーマンも主要メンバーとして参加している。死んでしまったスーパーマンはポスターに入っていないが、そろそろ復活するような気がする。

JusticeLeagueのポスター

コミックヒーローのクロスオーバー映画ではマーベルから遅れたが、DCエクステンデッド・ユニバースにはAクラス超人の「ジャスティス・リーグ」だけでなく、悪役を集めた「スーサイド・スクワッド」があり、これがめっぽう良い。こちらも続編の計画があるらしいので楽しみではある。

予告編

2017年に観た映画

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