今日の映画 – ナイトクローラー（Nightcrawler）

映画の舞台はロサンゼルス。警察無線を傍受して、夜間に起こる事故、犯罪などの現場に駆けつけて撮影した刺激的な映像をテレビ局へ売る生業に手を染めて、次第に成り上がっていく男の話。

主演はジェイク・ジレンホール。彼が出演した映画を観るのは、ブロークバック・マウンテン、マイ・ブラザー、プリズナーズ、複製された男に次いで5本目、タイプの違う役柄を演じ分けてきてる。従来はどちらかというと主役クラスの俳優と共演というのが多かったけど、複製された男では単独で主演を張って見せ、この映画ではまた違った一面を見せて完全に独り立ちした感じ。

ジェイク・ジレンホール演じる主人公は社会の底辺にいるようなこそ泥。教育を受けている訳でもなく、上がり目なんかなさそうやけど、持ち前の機転、押し出しの強さ、倫理観の無さに裏付けられた行動力で、俄仕込みのパパラッチ稼業で実績を上げていく。

その過程で雇ったアシスタントには徹底して冷たいし、最初の顧客でノウハウを教えてくれた女性プロヂューサーとの力関係が変わっていくと手のひらを返したように支配的に変わっていく。ジレンホールは、そういう非情で冷酷な性格と、教養がないことの裏返しなのか、ビジネス指南書や自己啓発書で読みかじったようなことを延々としゃべりまくるようなコンプレックスのようなものが入り混じった一風変わった気持ち悪い人格になり切っている。

この手の映画は危ない橋をいくつも渡って成り上がっていったものの最後に破滅が待っていたという筋書きが多いけど、この映画はそういう危機をすり抜けて無事にラストにたどり着いてしまう。いずれどっかで失敗するような気にさせるけど。

監督は、リアル・スティールやボーン・レガシーの脚本を手がけたダン・ギルロイ。この映画が初監督作品。

Trailer

2015に観た映画