酒元見学 – 熊澤酒造 [茅ヶ崎]

鈴木三河屋さんのお酒のゼミナールの卒業見学で茅ヶ崎の熊澤酒造へ見学に行ってきました。
東海道線で茅ヶ崎まで行って、相模線に乗り換え。相模線の列車に乗るのは初めて。線路は単線。

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集合場所は茅ヶ崎から2つ目の香川駅。ここから徒歩で熊澤酒造へと向かう。

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住宅と畑が混在する地域。途中に熊澤酒造と直営店の看板あり。

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到着。

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敷地内には広場があって、テラス席が少々。おちついた空間。

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傍らにあった敷地内の配置図。

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右の板張りの建物が酒蔵。その脇を奥に行くとレストラン「天青」がある。
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酒蔵の横には井戸があった。醸造で使う水はこの地の地下水で、用途に応じて深さの違う井戸が幾つかあるという。

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その横にはお酒を入れる陶製の容器。「曙光」は「天青」ができる前からある熊澤酒造のオリジナルブランド。

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奥の建物がトラットリア MOKICHI。ちょうど開店前で店の前には回転を待つ人が並んでいた。この建物は元々料亭に使われていたのをここに移築したもの。手前の変な格好の石もその際にいっしょに持ってきたそうだ。

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広場の中央にそびえているシンボルツリーはメタセコイア。その向こうの建物はMOKICHI Bakery & Sweets。

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酒粕やビールを使ったパンがおいしそうやったので後で買おうと思ったが、帰るときには売り切れていた。残念。

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熊澤酒造は日本酒だけでなく、ビールも製造しているので、まずビールの製造工場を見せてもらう。ビールの商標は「湘南」という地名では登録できないので「湘南蔵元ビール」で登録しているというが、広く「湘南ビールで認知されている。

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ビールを始めた理由が面白かった。従来出稼ぎで来てもらっていた杜氏の高齢化と後継者不足から、自社での酒造りノウハウの継承と杜氏の社員化を行ったものの、日本酒を作らない夏場の仕事がないので通年出来る仕事としてビール造りを始めたとのこと。それも、短期間で立ち上げるためにドイツからマイスターを2年間呼び寄せたという。

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続いて、酒蔵を案内してもらう。

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熊澤酒造で使っている酒米は山田錦と五百万石がほとんどを占める。あとはどぶろく用に地元産の米が少々。自社で精米工場を持たないため、調達した米は山形県の工場へ送って精米してもらっている。精米された米はこの倉庫に貯蔵しているが、今年の仕込みがあと残り僅かで米も倉庫の奥に少ししか残っていない。

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この倉庫は断熱のため、壁だけでなく天井や梁までウレタンの断熱塗装が施されている。

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精米された米を洗う機械。米を極力割れないように扱うために米と水の温度差を無くして洗うようにしているという。

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洗浄と浸水用の水タンク。温度と時間の関係など微妙なノウハウがあるらしいが、変動するファクターを減らすため、水温を10度にコントロールしているという。仕込む際の水は、もっと低温が良いので0度に近い冷やした水を使う。

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酒米を蒸す巨大な甑。下の部分は風を送って蒸し米を冷やす装置。

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仕込み部屋。奥の板張りの部屋が麹室。中は左右2つに分かれていて、右側の湿度の高い部屋は蒸米に麹菌を付けて発芽させる部屋。発芽後、左の湿度のより低い部屋へ移して麹菌を成長させる。湿度を下げるのは米の表面を乾燥気味にすることで、麹菌の繁殖を米の表面だけでなく内部へ浸透させるため。

上段左の白いのが酛のタンク。乳酸菌を添加する速醸方式を採用している。乳酸菌を自然増殖させる生酛や山廃はその過程の痕跡が複雑な味や風味を作るといわれているが、「天青」の目指す味には速醸の方が向いているから。

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絞った酒の貯蔵タンク。ステンレス製ではなく琺瑯製みたい。

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普通の見学はここまでのところ、今日は特別に防空壕を転用した貯蔵庫を見学させてもらう。ちょうど敷地の奥が小高い丘になっていて、その下に掘られた防空壕への入り口がこの建物の中にある。

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「天青」は絞ったあと、冷蔵や常温で数ヶ月〜1年熟成させてから出荷するものが多い。そのうち、常温貯蔵はかつては倉庫内でおこなっていたが、年々気温が高くなってきたので場所をこの元防空壕へ移したという。丸太と板で支えられた通路はどこかの坑道みたい。

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天井にはあやしいきのこのようなものが下がってる。年間を通して温度が変わらないだけでなく、湿度も安定しているようだ。

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貯蔵されている酒は、意外と普通に積み上げられている。

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一通りの見学が終わって、ランチタイムは「蔵元料理 天青」へ。建物は2階建ての古民家のような造り。

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1階段のカウンターの裏側が厨房になっている。

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会場は今回の見学会参加者30人弱が入れる部屋、通路の奥にある。

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鈴木さんと杜氏の五十嵐さん。

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「天青」で乾杯。

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水は地下100mの深井戸から組み上げた、ビール、日本酒の仕込み水。

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「天青」は料理と一緒にいただいて互いに引き立て合う酒。これは姫鯛のサラダ。

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いろいろな種類の「天青」を次々といただく。ちなみに「天青」の命名とラベルの文字は作家の陳舜臣によるものやそうです。

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平行して、クラフトビールも。これはみかんの皮を加えた爽やかな香りのビール。

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これは防空壕で熟成させた純米酒。

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料理は、鰹、鴨、ホタルイカなど素材を活かしたあっさり目の味付け。日本酒にもビールにもよく合う。

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にごり酒。奥は「ポーター」のピッチャー。

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「天青」以前からのブランド「曙光」。澄み切った透明感のある「天青」と違って、複雑に混ざり合った味。この酒も美味しい。

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菜の花と海老しんじょうを湯葉で包んで揚げたもの。

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ビールは「レッドビール」に突入。これはベルギービール風。

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蔵元料理というだけあって、お酒がすすむ。

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純米吟醸の「千峰」。単独で飲むには、これが一番旨かった。

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ご飯と味噌汁と香の物。まだ飲んでますけど。

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さらにデザートまで食べ尽くす。

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帰りがけに、パンを買おうと思ったら売り切れ。代わりにラスクと米麹と酒粕を買う。

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蔵元を見学させてもらうのは今回が初めて。話としては知っていた日本酒の作り方を、実際に作っている蔵の中で説明してもらって理解が深まった。また、日本酒を造る人たちの理想に向けての努力と情熱を直に感じることができたのが良い経験。また、普段は入れない防空壕の中を見学させてもらったり、食事の際には特別なお酒まで飲ませてもらって楽しい時間を過ごた。

帰りは東海道線で寝過ごさないよう、茅ヶ崎駅まで酔い冷ましに散歩して、ほろ酔い気分で帰途につく。


熊澤酒造(神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7)

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