朝食を7時に頼んだが、時差ボケで早めに目が覚めたので散歩に出かける。カーサ・パルティクラルの前の道はBrazilという通り。まだ薄暗い中、この通りを東へ向かってぶらぶら旧市街を散歩する。
ヴィエハ広場(Plaza Vieja)には誰もおらず、ひっそりとしている。ゆっくりと一廻りして、宿の方向へ戻る。
Brazil通りの商店がまだ閉まっている中、パン屋だけが早朝営業中。看板に「Panaderia」とあるが、パンの配給所なのかもしれない。
宿泊しているカーサ・パルティクラル「Lourdes Havana 1913」の2階への入り口。1階はかつては店舗だったのかもしれないが、今はシャッターが織りたまま。3階建ての建物は古いが、ドアの上の明り取りの窓の形など、部分を見ると凝ったところがある。
ハバナ旧市街の住宅地では、この家のように両隣の家と建物がくっついて長屋状になっていることが多い。したがって、通りに面した部屋には窓があるが、それ以外の部屋には窓がない。昨夜から泊まっている部屋にも窓がなかった。さすがに真っ暗では暮らしにくいと考えたのか、建物の内部に一部吹き抜けを作ってテラスのようにして、同時に明り取りにしている建物もある。この家もそうなっていて、その吹き抜け部分のテラスが朝ごはんの場所。
飲み物は、タマリンドのジュース。
毎日出てきた、フルーツの盛り合わせ。この日はパインアップル、バナナ、スイカ、パパイヤ、グアバ。タイなど東南アジアでは熟す前の青いグアバに唐辛子入の砂糖を付けて食べるが、ここのグアバは完熟したもの。バナナは日本で食べるものに近いが長さが短い。パパイヤはハワイの黄色いタイプではなく、東南アジアでよくある実が長くて果肉が赤いもの。ちなみに、キューバのスペイン語ではパパイヤは「Fruta Bomba」。
パンは先ほどのパン屋で売っていたもの。バター、ジャム、ココナッツのコンフィチュール付き。このココナッツのコンフィチュールが絶品。
ハムとチーズのホットサンド。
厚めのクレープといった感じのパンケーキ。さっきのバナナを巻いて食べる。
コーヒーは細かな粉を濾しきれていないような、ちょっと濁ったタイプ。ミルクも温めてくれている。
これに目玉焼きまで出てくるので朝からかすでに満腹状態。料理していたのは宿の奥さん。このカーサ・パルティクラルには3泊したが、別の人が調理していた日もあったので、人を雇っているのかもしれない。夕食を出してくれるカーサ・パルティクラルもあるが、聞いてみるとここでは夕食はやっていないとのこと。代わりに、宿の主人が近所のお勧めレストランやバー、旧市街の両替所がある所などを地図に書き込んでくれた。感謝。
午前中は旧市街を歩いて回ることにして、再びBrazil通りを朝一に行ったヴィエハ広場まで歩く。この広場は1559年に作られたという。今朝方は誰もいなかったが、さすがにこの時間になると人が出ている。広場の中央にはモダン・アートの作品が円周状に置かれていた。
広場からさらに東へ歩いてハバナク ラブ博物館(El Museo del Ron Havana Club)のところで海岸通りに出る。ここでは見学とラムの試飲ができるが、まだ朝早いので今回は通過。
通りの向かい側の建物の壁にはチェ・ゲバラの絵。ゲバラはこのあと街中や土産物屋などでいやというほど見ることになるが、このデザインのものが一番多かった。
古いアメ車もたくさん走っているが、これが目撃第1号。普通に動いてます。この通りは観光馬車も何度か見かけた。
通りを少し北上するとすぐにあるのがサン・フランシスコ広場(Plaza de San Francisco)。正面の塔のある建物が、サン・フランシスコ・デ・アシス修道院(Convento de San Francisco de Asís)。
広場から通りへの出口にはCocoタクシーが客待ち中。街を歩いていると、クラッシックカーのタクシーを含めて、かなり客引きが多い。
サン・フランシスコ広場から2ブロク北へ上がれば観光客の多いオビスポ通り(Calle Obispo)だが、 そのさらに北側へ先に行ってみる。まず目につくのがフエルサ要塞(Castillo de la Real Fuerza)。地図を見ると堀に囲まれていて、函館の五稜郭を四角形にしたような形。博物館になっていて中に入れたが、日差しが強くなってきたので外から眺めただけで先を急ぐ。
途中、クラッシックカーのタクシーが並んでいるところを通過。純正パーツなんかある訳無いので、手造りでメンテナンスしているものと思われるが、ボディの色も個性的。
カテドラル広場(Plaza de la Catedral)はハバナ大聖堂(La Catedral de la Virgen María de la Concepción Inmaculada de La Habana))がある広場。
滞在中にこの広場は何度か通ったが、いつもちょっと目立つ衣装を着て写真を撮りたく成るような人がうろうろしている。多分、写真のモデルになることでチップをもらっている人かなと思う。
このおばさん、葉巻を持っていかにもというポーズ。陰から一枚撮影。
広場をくるっと見て回ったあと、旧市街でいちばん賑やかなオビスポ通りへ戻る。
まずは、ヘミングウェイが定宿にしていたホテルAmbos Mundosへ行ってみる。エレベータで5階に上がると廊下にもヘミングウェイゆかりのタイプライターなどの展示がある。
511号室は展示専用となっていて入るのは有料。女性がスペイン語と英語で説明してくれる。
思ったよりも狭い部屋で執筆したデスクも小さい。ヘミングウェイは仕事場と住居を分けていたそうでこの部屋は仕事場ということで納得。窓からの見晴らしが良く、角部屋なので風通しもよく、この季節は冷房がなくても過ごしやすい。
Ambos Mundosから通りへ出ると数件先にLa Luzを発見。ここは店先が立ち呑みのコーヒーのカウンターで奥がレストランになっている店。兌換ペソも使えるのかもしれないが、基本は人民ペソの店らしいので、人民ペソへの両替を済ませてから来ることにする。
この日は土曜日で、翌日日曜日に両替所が営業しているのか分からなかったので、今日のうちにもう少し両替かATMからの引き出しで現地通貨を持っておきたかった。というのも、月曜日は早朝から次の都市Cienfuegosへ移動する予定で、地方都市ではハバナよりも両替が難しいかもしれないという心配があったため。そういうわけで、オビスポ通りにあるはずの両替所を探しながら西へと向かう。(追記: 翌日日曜日にオビスポ通りの両替所の前を通ったが、日曜でも営業しているようだった。営業時間は確認していない。)
途中に目についたのがFloridaホテル。入り口を入るといきなり大理石の彫像があって、奥にはきれいなパティオ。
Floridaホテルの並びにあったのがドラッグストア。店内に入ると壁面いっぱい、天井までの棚に整然と並ぶ膨大な薬瓶。しかし、見ていてもこれらの薬瓶を取り出しているようには見えず、現役で働いているのかどうか不明。カウンターのケースの中には、どこにでもあるような市販薬のパッケージが並んでいた。
両替所はObispo通りがCompostela通りと交わる角にあった。道路の角まで行列ができていて、その脇ではチュロスの屋台が商売している。
両替所の入り口には係員が居て、用事を済ませた人が一人出てくれば一人入れるという方式。みんな並んで待つことには慣れている様子。しばらく待って順番が来たので二人で入ろうとしたら一人でないと入れないとのこと。店内にはカウンターのみでATMマシンはなし。空いていたカウンターへ進んで日本円を渡してパスポートを提示して両替してもらう。紙幣は10CUCしか無いとのことで選択の余地なし。昨日空港のATMでおろしたのが5CUC紙幣だったので特に不自由はなさそう。両替してもらったうちから20CUCを人民ペソに替えてもらう、こちらは10CUPと20CUPとの混合でそこそこの厚みになる。
これで人民ペソが手に入ったので、さっそく通りの店でアイスクリームを買う。ココナッツの実を半分に割ったものをそのまま器にしたココナッツ味のアイスクリーム。あっさり味でおいしい。
オビスポ通りの西の端まで進み、ヘミングウェイが通ったというバーFloriditaを覗いてみたが、まだ開店前。
オビスポ通りはセントラル公園(Parque Central)に突き当たって終わり、公園の西側は旧市街を南北に貫く中央分離帯付きの立派な道路マルティ通り(Paseo de Marti)に接している。道路の向こうに見えるのはハバナ大劇場(Gran Teatro de la Habana)。
マルティ通りを西へと渡ると、オビスポ通りの延長線にサン・ラファエル通りが西へと走っている。この通りもオビスポ通りと同様に歩行者専用の通りで、土曜の昼頃ということもあって家族連れで賑わっていた。
サン・ラファエル通りとガリアノ通りの交差するところにある公園(Parque Fe del Valle)はWiFiスポットになっていて、ETECSAの電波が飛んでいる。ETECSAはキューバの電話会社で当然国営。日本のかつての電電公社のようなもの。キューバ人の収入からするとスマホはかなり高額な商品だが、けっこう大勢の人が端末を使っている。
そこでWiFiのプリペイドカードを買おうとETECSAのオフィスあるいは売店のようなものを探したが周辺にそれらしいところが見つからない。しばらく公園内をうろうろしていると若い男が「WiFi Card」とつぶやきながら近づいてくる。値段を聞くと60分使えるカードが1枚3CUC。このカードは2CUCのはずなので、彼は2CUCで仕入れて3CUCで売っていることになる。多分違法ではあるが、商売としてはかなり実入りが良さそう。ここでは他に入手手段がなさそうなので2枚買う。
使い方は簡単で、ETECSAのWiFiの電波を掴んでブラウザを立ち上げるとログイン画面になるので、カードに印刷されているユーザ名とスクラッチを削ると現れるパスワード(いずれも12桁の数字)を入力する。ブラウザがChromeだと安全な接続でないとか警告を出すが接続を強行すればあっさり繋がって60分のカウントダウンが始まる。
使ってみると、高速とは言えないが、この公園だけでも20人以上が使っている割にはサクサク動く。Facebookに写真を数枚アップするくらいは大したストレスなくできるくらい。
公園で休憩したあとは、国会議事堂のカピトリオ(El Capitolio)の西側のエリアを歩いて回る。マルティ通りの西側と比べて、旅行者が少なく地元の人が多い。街の風景も少し荒れたところがあるとともに商店など生活感もある。
南へ下ったところに中華街の門があったが、街の形になってないし、他の国でみられるような活気はない。
昼時なので食事ができるところを探したが、ガラスケースの中に作り置きのサンドイッチが数個置いてあるだけというような店が多くて今ひとつ気が進まない。
道端で、皿を手に持って立って食べている人が居たのでよく見ると食堂。といっても椅子もテーブルもない。まどの格子にメニューが掛かっていて、ここで注文して、出来上がったら受け取って食べるだけ。
近寄ってみると、メニューは4種類で30~35人民ペソ(150~180円)くらい。米を豆と炊いたコングリという赤飯のようなご飯におかずが付いているらしい。
上の2つを注文して、出てきたのがこれ。左は豚肉を煮たもの、右は骨付きのハムの薄切りをそれぞれコングリに乗せたもの。付け合せはキュウリと黄色いのが少し甘味のある芋のようなもの。いずれも旨いがコングリの量が多くてかなりのボリューム。
昼食を終えて、一旦カーサ・パルティクラルへ戻ることにする。カピトリオはアメリカの国会議事堂のコピー。どうやら補修工事中のようで足場が組まれていた。しかし、滞在中に工事をやっている気配はまったくなかったのがキューバ的。
セントラル公園の南側はクラッシックカー・タクシーのたまり場になっている。
ブラジル通りを宿に戻る途中、日差しも強く気温も上がってきたので、暑気払いに角のレストランで初モヒート。
宿に到着。暗い時は良く分からなかったが、左隣りの建物は天井がなく壁だけ残った廃墟だった。街をあるいていても、手入れされた建物と、崩壊してしまった建物が混在している。 夕方までしばらく休憩。
夕方になって少し涼しくなったので再出撃。今度は違う道を通ってオビスポ通り方面へ向かう。歩く町並みを見ていて飽きない。この建物は100年以上、もしかしたら数100年前に建てられたもので、オリジナルはこんな色ではなかったはずなのに、ピンクやグリーンに塗られていても違和感を感じさせない。
こちらはもう少し落ち着いた色に塗り分けられている。
オビスポ通りのひとつ北側のオライリー通り(O’Reily)の銀行にATMがあるはずなので、念のため場所を確かめておく。場所はさっきの両替所の近く。行ってみると、メトロポリタン銀行(Banco Metropolitano)は立派な建物。
入り口の両側にATMが各1台あって、右側は故障中だったが、左側が使えた。ATMのタイプは空港にあったのと同じ。引き出すと、今度は全部10CUC札で出てきた。休日や無人店舗のATMは故障してカードが出てこないリスクを考えると積極的に使いたくはないが、いざとなれば日曜日でも現金を引き出すことができるのは安心。
オライリー通りとコンポステラ通りとの角の店から生演奏が聞こえてくるので入ってみる。おじいちゃんがキーボードを弾いていて、後ろのプレートを見ると「Buenavista Social Club」とある。が、よく見るとその上に「Antecesor(=Ancestor)」。Buenavista Social Clubの現役メンバーというより、関係者を連れて来てバンドに仕立てたような怪しさがただよう。
お通しのバナナチップでモヒートを飲んで演奏を聴く。中には踊り出す客も。バナナチップはよく出てきたが、甘くないバナナを非常に薄くスライスして揚げてあるので、ほとんどポテトチップスの食感。あと、生演奏をやっている店では必ずといって良いくらいCDのセールスがある。普通は10CUC。無名のバンドのCDが欲しい訳ではないので、CDを買う代わりに5CUCくらい寄付することが多かった。
オビスポ通りに戻ると、人集りができているので見に行くと、マイケル・ジャクソンのものまねパフォーマンス。似てない。
昼間人民ペソへの両替前だったので入らなかったコーヒースタンドLa Luzへ行ってみるとすでに閉店。となりのケーキ屋の2階でコーヒーが飲めるというので行ってみる。ごく、普通。
夕食は宿の主人お薦めのレストラン、Ibisへ行ってみる。場所は宿の近くで、アグアカテ通り(Aguacate)沿い、ブラジル通りから2ブロック北へ上った所。
店はそんなに広くないが、小奇麗にテーブルがセットされている。先客が一組。
入り口脇に小さなバーがあるので、飲むだけでも大丈夫そう。
モヒートは2回飲んでいるので、フローズン・ダイキリ。
魚のアヒージョ、エビとパイナップルの炒め物を注文。付け合せは野菜と例のバナナチップ。
食事を終えて、もう一軒。これも宿の主人のお薦め、Art Pub。場所はBrazil通り沿い。
この店は食事もできるが、もう遅いのでサクッとのむだけ。ということで、ピニャコラーダ。
そして、Havana Club 7年をストレート、少し氷を入れて。
夜の街を涼みながら宿まで戻る。初めての街を夜遅く、お酒を飲んで歩いても全く危険な感じがしない。キューバええとこ。
キューバ旅行 Day 2終了。
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