今日の映画 – マイ・インターン（The Intern）

主演がロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイ、タイトルからするとインターンの映画みたいやけど、アン・ハサウェイもさすがに30を越えてインターンという歳でもない。はてなと思ったら、デ・ニーロがシニア・インターンでハサウェイがボスという配役。

ハサウェイの役がアパレルのeコマースの会社を立ち上げて短期間で成功した社長というものなので、広告でも「プラダを着た悪魔」の続編を匂わせているが、この2つの映画は全く関係のない別物。こういう宣伝の仕方は誤解を招くから良くないと思う。

映画のパターンとしては、ある社会にどう見ても順応できそうにない全く異質な人が突然やってきて、意外にも周囲に良い影響を徐々に与え始める。最初は互いに戸惑っていた周りの人達も、次第にその人のことを認め、力を合わせて難局を乗り切ってハッピーエンドというよくあるもの。

この映画のストーリの秀逸なところは、その既存社会がハサウェイが社長をやっている急成長中（したがって、若くて活気はあるけど社内秩序がめちゃくちゃ）のeコマースの会社。そして、そこにインターンとして入社してくるのが長年企業で働いて引退生活を送っている70歳のデ・ニーロという予想外の設定にしたところ。

デ・ニーロは50歳近く歳の離れた孫と言っても良いくらいの若い、しかもIT系のオタクみたいな人を含めた同僚たちの個人的な悩みの相談に乗ったり、能力を引き出して社長へアピールしてやったりと大活躍。おまけに、社長の送迎の車の運転まで引き受けて、そこで見聞きした家庭の問題まで相談されるまで信頼される。

デ・ニーロの演技は自然で、押し付けがましくない好印象。今まで出演した映画は強面の役柄とか一匹狼風のが多くて普通の会社員の役柄はそうなかったけど、この映画のような役でもきっちり決めてくるのはさすが。会社の中でスーツにネクタイという姿は一人だけで、しかもオーセンティックなトラッドなのに重苦しさを感じさせない。

ハサウェイが間違って母親へ送ってしまったeメールを取り消すために、デ・ニーロが若手社員3人を連れて母親宅へ侵入するところなどはドタバタコメディっぽく作られているが映画全体が軽快なタッチで進んで行くので違和感はない。 ハサウェイの夫の浮気問題も最後は解決してハッピーエンドというのは都合良すぎるけど、これも古き良きアメリカ映画みたいで悪くはない。

ポスターに写っているデ・ニーロが右手に下げている鞄はインターン初日から持っていて、それを褒めた同僚社員に今は廃番になっていると説明するシーンがある（その同僚は後にオークションで同型のものを手に入れる）。この鞄はCOACHのもので、昔ニューヨークの本店で同じものを買って今も持っているのでびっくり。

Trailer

2015に観た映画