今日の映画 – 女神は二度微笑む(Kahaani)

今年初めてのインド映画。インド映画のサスペンス物というのも初めて観た。過去数年に観たインド映画は佳作が多く、レベルアップを実感させられた。この映画の製作年は2012年で、日本公開まで3年掛かっているが、配給会社もインド映画である程度の興行成績を上げられるようになってきたのかもしれない。

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映画の舞台はコルカタ(旧カルカッタ)。冒頭は地下鉄サリンを連想させるテロ事件の場面。その後一挙に2年後に飛んで、イギリスに住んでいるという設定の主人公が、身重の大きなお腹を抱えて行方不明になった夫を探しにやってくる。

カメラは短いショットを次々と繋ぐ手法でコルカタ市内の喧騒をテンポ良く見せている。映画の中で、突然歌って踊るシーンもなく、ニュー・ウェーヴのインド映画という印象。

主演のヴィディヤー・バーランは典型的なインド美人。インドでは演技派の女優として人気が高いらしいが観るのはこの映画が初めて。素人探偵のように失踪した夫を探していく姿は危なっかしいが所々に機転を利かせて捜査を進めていくところはラストシーンに繋がっていく。

男優陣はヴィディヤー・バーランの相手役となるラナ役のパランブラタ・チャテルジーが優しい警察官、捜査責任者カーン役のナワーズッディーン・シッディーキーが強面で強引な役柄。これに人柄はよいけど仕事ができなさそうな署長とか、見た目が気持ち悪い殺し屋など分かりやすいキャラクタを並べている。ナワーズッディーン・シッディーキーは去年観た「めぐり遭わせのお弁当」にも出演していたのが後で分かったが、同映画で主人公といっしょに弁当を食べていた気の弱そうな人と同一人物とは思えない演技。

サスペンス映画で映画を通してそれなりの緊張感はあるものの、ピリピリしながら観るという感じではなく、どこかのんびりした気分になるのはさすがインド映画。既に、ハリウッドでリメイクすることが決まっているらしいが、このほんわかとした雰囲気をアメリカ映画で出すのは無理っぽい気がする。

コルカタの祭り「ドゥルガー・プージャー」も映画の中に上手く取り込まれている。この祭りはヒンドゥーの戦いの女神ドゥルガーを祀るものらしいが、主人公と女神を重ねあわせてあるのは明らか。二度微笑むの「二度」がどういう意味なのか分からんけど。ちなみに原題「Kahaani」の意味は「物語」。

コルカタの街中の景色がたくさん出てくる。また、主人公が自分の名前の「V」を「B」と発音されるのを訂正しても、ここでは同じだと相手にされないところや、本名以外のニックネームで呼ぶ風習があることなど、コルカタローカルな話題が織り込まれているのも旅行者気分で楽しめる。

終盤のおとり捜査のところで、警察が事前に張り込みもせずに後追いで現場に駆けつけるところなど、突っ込みたいところもあるけど、そういうのを差し引いても十分楽しめる映画。


Trailer


2015年に観た映画一覧

番号 邦題 原題 監督 評価
16 女神は二度微笑む Kahaani Sujoy Ghosh 4.0
15 パリよ、永遠に Diplomatie Volker Schlondorff 3.0
14 博士と彼女のセオリー The Theory of Everything James Marsh 3.5
13 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 The Imitation Game Morten Tyldum 4.5
12 妻への家路 帰来 張芸謀 4.0
11 シェフ 三ツ星フードトラック始めました Chef Jon Favreau 3.5
10 フォックスキャッチャー Foxcatcher Bennett Miller 3.5
9 アメリカン・スナイパー American Sniper Clint Eastwood 4.0
8 おみおくりの作法 Still Life Uberto Pasolini 3.0
7 エクソダス 神と王 Exodus: Gods and Kings Ridley Scott 3.5
6 ドラフト・デイ Draft Day Ivan Reitman 2.5
5 今日の映画 – 特捜部Q 檻の中の女 Kvinden i buret Mikkel Norgaard 3
4 KANO 1931海の向こうの甲子園 KANO 馬志翔 3.5
3 ジミー、野をかける伝説 Jimmy’s Hall Ken Loach 3.5
2 シン・シティ 復讐の女神 Sin City: A Dame to Kill For Robert Rodriguez, Frank Miller 3.5
1 毛皮のヴィーナス Venus in Fur Roman Polanski 4.0
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