今日の映画 – ジャージー・ボーイズ （Jersey Boys）

同名のブロードウェイミュージカルの映画化、監督はクリント・イーストウッド。1960年に結成された「フォーシーズンズ」というバンドの伝記映画。

この映画を観るまで、「フォーシーズンズ？ 知らんなぁ」やった。せやけど、映画の中で流れる音楽を聞いたら、半分くらいは「あっ、これ聞いたことあるわ」という感じ。 結成から50年以上経って、オリジナルの4人のメンバーのうちリードボーカルのフランキー・ヴァリしか残ってないけど、今でも活動してる。50年の間に音楽のトレンドは変わってきてるのに、その折々でヒット曲を出してきてるのはすごい。

ミュジカルからの映画化とはいえ、音楽物なので歌うシーンとセリフのシーンは普通の映画と同じ感じで、音楽ものやないミュージカル映画によくある、出演者が突然歌い出したり踊りだすような不自然さはない。知らなければ、元がミュージカルとは分からないくらい。

一方で、普通のシーンの途中でメインの俳優が自分のセリフを中断してナレーションっぽい説明をする場面が何度もある。もしかしたら、これがミュージカルからの遺産かもしれんけど、オリジナルを見てないのでよう分からん。

この突然割り込むナレーション。最初はトミーから始まって、順に交代して最後はフランキー。あとから考えてみると、映画の進行順に4つに分割してそれぞれをシーズンと見立ててナレーション担当が変わっていくという造りかもしれん。

音楽ものの伝記映画のよくあるパターンは、無名時代からチャンスを掴んで売れ出して成功するけど、酒、女、クスリなんかでピンチになり、そこから立ち直るか落ちていくというもの。

この映画も4人で苦労して成功したものの、最初のリーダー各のトミー・デヴィートが借金まみれでグループの中での問題児。せやけど、無名時代に最初のアルバムを出せたんは、このトミーが自分が背負い込む形で高利貸しから金を借りたお陰やったりする。

クリント・イーストウッドは過去にも「バード」とか音楽映画を撮ってるので、今回も手慣れたもん、途中飽きさせることなく最後まで引っ張っていく。フォーシーズンズを知ってる人も、知らん人も楽しめる映画。

あと、バンド結成時に4人目のメンバーとして加わるのがボブ・ゴーディオ。彼はキーボードとテナー・ボーカルに加えて作曲の才能もある。そのゴーディオがフォーシーズンズの前のロイヤル・ティーンズ時代に若干15歳で作曲した「Short Shorts」という曲が映画の中で流れる。

この「Short Shots」は、タモリ倶楽部のエンディングで流れる曲なので、かなりの日本人にとって「聞いたことあるわ」というもの。ゴーディも60年以上前に作った曲が日本でポピュラーになってるのを知ってるんやろか？ 映画と関係ないビデオやけど、YouTubeにロイヤル・ティーンズの「Short Shots」があったので貼っとく。

Trailer

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