今日の映画 – ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス(Guardians of the Galaxy Vol. 2)

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のポスター

映画レビュー

マーベルのコミック原作の2014年映画の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編。この映画を一言で言うと、「コミック原作の宇宙を舞台にしたSFドタバタコメディ」。なので、この手の映画が好みでない人にとっては評価に値しないだろうし、ハマる人にとってはもうたまらんということになる。

そのどちらでもないという人にとって、この映画を観るべきか、スルーすべきかの判断は、

  • SF映画が好き
  • アメコミが好き
  • 懐かしの洋楽が好き
  • ドタバタコメディが好き
  • ウィットに富んだジョークが好き

のいずれかに該当すれば、この映画はおすすめ。ただし、品の悪いジョークへの耐性が多少必要。

マーベルのコミックの映画化という点では、アベンジャーズのアイアンマン、ハルク、キャプテン・アメリカなどと同じ。ただし、これらはアベンジャーズに結集する前から単独で主役を取れるヒーローだったのに対し、この映画はクイル、ガモーラ、ドラックス、ロケット、グルート5人のグループで成り立っているところが違う。そのため、特定のヒーローの色た強く出る他のマーベル物と違って、個性ある5人が織りなすどんちゃん騒ぎが映画の最初から最後まで休みなく続くところがこの映画の魅力。

今回も前作からさらにパワーアップして随所で笑わせてくれる。ドタバタとは言ったが、一応筋の通ったストーリは作られており、荒唐無稽で破綻した映画ではない。今回も、クイルの出生の秘密、ガモーラと妹ネビュラとの確執、ヨンドゥが男気を見せるところなど、脚本はしっかりしている。

映像については、前作と同じく、登場人物のスマートさよりもユニークさが優先されているので、顔色が緑、青、黄色、金色と日常感覚からすると受け入れ難いだけでなく、ガモーラの顔の刺青のような模様とかドラックスの体の模様など、不気味を通り越して気持ち悪いくらいのデザイン。なので、映像の色使いも現実世界の制約なんかこれっぽっちもないよという自由さで、それが狙ったほどほどのチープ感が出ていてよろしい。

クイル役のクリス・プラットはSF物への出演が多いが、「マグニフィセント・セブン」でいい味出していたので他の分野でも頑張ってもらいたい。

ゾーイ・サルダナもSFが多く美人なのに、本作のガモーラやスタートレックのウフーラなどちょっと変わった役が多い。近日公開の「夜に生きる」では、普通の人間で重要な役を演るので観るのが楽しみ。

その他の出演俳優も前作から引き継いでいる人が多く、皆勝手が分かっている安心の演技。

前作で体を張って仲間を助けた植物人間グルートは、挿し木からすこし成長して可愛いベビー・グルートとなったが、捕らえられたクイルとヨンドゥの指示である物を取ってくるところのボケ具合が絶妙。

あと、悪党たちが簡単な算数もできない会話を真面目にやっているところとか、遺伝子操作の失敗でアライグマになっているロケットがネコ、イヌ、キツネなど好き勝手に呼ばれるところとか、戦闘機のリモート操作センターがゲーセン風だったり、プチプチの緩衝材にしか見えない宇宙服など、爆笑ポイントが散りばめられている。映画は136分とやや長めであるが、その長さを感じさせない。そして、最後にはマーベル物では約束のエンドロールの後のおまけ付き。

最後に一言。映画の原題は「Guardians of the Galaxy Vol. 2」なのに、邦題は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」としているのはどうしたものか?この映画は新しく造られた続編なのに「リミックス」というのが誤解を招く。それを承知でこういう邦題にしたウォルト・ディズニー・ジャパンにどういう意図があったかは分からないが、この題名はちょっと残念。

サウンドトラック

前作に続き、この映画でもクイルの亡き母親が作ったミックステープが「Vol.2」として登場。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のサントラ

このテープのタイトル「リミックス オーサム・ミックス・VOL.2」はその名前のままこの映画のサウンドトラックとして販売されている。

このカセットテープは映画の中でウォークマンと共に壊されてしまうが、映画の最後にクイルがヨンドゥからの贈り物としてマイクロソフトがiPod対抗として発売して大コケした音楽プレーヤー「Zune(日本未発売)」をもらって、「300曲も入るのか!」と驚き喜ぶところがまた笑える。

予告編

2017年に観た映画

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