今日の映画 – ニュースの真相（Truth）

ブッシュ大統領の再選の際の軍歴詐称に関する報道とその根拠が偽造だったかどうかという話の顛末を映画化したもの。

実話に基づいた映画で、ロバート・レッドフォードがCBSの人気ニュース番組のアンカーマン、ダン・ラザー、ケイト・ブランシェットが敏腕プロデューサー、メアリー・メイプルを演じている。

見終わった印象としては、う～ん、ちょっと消化不良かなという感じ。権力とジャーナリストの対立という構図の映画はフィクション、ノンフィクション含めて今までにも多く作られて佳作も多い。この映画は最高クラスの権力者であるブッシュ大統領の疑惑を追求するジャーナリストの話として観るので、途中不利な戦いを続けるジャーナリスト組がどこかで起死回生の逆転劇を演じるかと期待してしまうが、結局不発で終わってしまう。事実がそうであるから仕方ないが、それならノンフィクションにこだわらずにフィクションで作ったほうが、娯楽作としては楽しめる映画になったのではないだろうか？

そういうわけで、ストーリーには今ひとつ乗れないところがあるが、主演の2人は良かった。ロバート・レッドフォードは年齢的にもかなりくたびれてきてはいるものの、それが返ってテレビニュースと共に生きてきたベテランの雰囲気を醸し出している。

ケイト・ブランシェットは最近はまったりした役が多くて、それがまた良いが、この映画でバリバリのキャリアウーマンという違うタイプの役を演じている。実績のあるプロデューサーとして取り組んだ仕事の思わぬ綻びで、結局会社にも見放される気の毒な役ではあるが、権力に対抗するジャーナリスト魂を見せるところもあれば、ニュースソースを守ると言いながら結局流されてしまうところでは人間のエゴを見せるようなところもあり、相変わらず達者。ただ、今回は映画に恵まれなかったか。

Trailer

2016年に観た映画