今日の映画 – イレブン・ミニッツ（11 Minut）

ポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督の映画。

映画が始まって登場人物が次々と現れるが、幾つかのグループに分かれていて、画面が切り替わって同時並行でそれぞれの日常が描かれていく。話が進むにつれ、そのうちの2人が親子であることが分かる。こうやって、それぞれの登場人物相互の交流が始まるのかと思ったらそうでもない。パソコンのモニターなどに正体不明の黒いシミが現れるが、これが何なのか最後まで分からない。

そうするうちに、最後の11分で、見知らぬ他人だった登場人物の運命が交錯して終わる。「ほー、なるほど、そう来るか」と感心するのが半分、「えっ、これで終わるのん？」というのが半分くらい。

最初は見知らぬ登場人物たちが最後には絡み合うストーリーは他の映画でもあったと思うが、大抵の場合は互いに協力が必要になるとか、敵味方に別れるとか、それなりの必然性があっての人生の交錯であると思うけど、この映画のラストシーンへの進行は、その必然性が全くない。そこが、不意を突かれるところであるし、落ち着いてみるといまいち釈然としないところでもある。必然なんて必要ないというのが監督のメッセージなのかもしれんけど。

そういう訳で、ラストの印象は強く残るが、映画全体の記憶はそれほど強くない不思議な映画。

ところで、なんで11なのか？ 勝手な想像では、最後に巻き込まれる登場人物が、映画監督、女優、女優の夫、ホットドッグ売り、バイク便運転手、救命隊員、犬を連れた女、バスの青年、画家、ホテルで寝ていた2人、合計11人というのは考えすぎか？

Trailer

2016年に観た映画