今日の映画 – 王の涙 イ・サンの決断（逆鱗）

2014年最後の劇場映画は韓国映画。副題にある「イ・サン」は李氏朝鮮の22代国王。日本でも放映された韓国のテレビドラマ「イ・サン」を観ていたので、同じ主人公が映画ではどう描かれているのか興味もあって観に行った。

この時代の国王は傀儡に近くて、政治の実権は要職を姻戚関係で固めた老論（のろん）派が握っていたというのは史実に基いているので映画もテレビも同じ。映画では冒頭では、主要人物の力関係やその背景についてのごく簡単な説明が日本語で入る。

テレビは何週間にも渡って話が進んでいくのに対して、映画は2時間ちょっとの枠で完結しなければならないので、イ・サンの暗殺計画とそれを切り抜けた主人公が王としての実権を握るところに焦点を当てて、架空の暗殺集団を絡めた話としてうまくまとめてある。

しかし、テレビを観ていて予備知識があったからついて行けたようなもので、この映画だけを観たら、登場人物の把握やイ・サンの父親が非業の死を遂げたことなどの背景は分かりにくいだろうと感じた。逆に、韓国のテレビドラマでは必ず登場するコミカルな人物は映画では出てこないので、スッキリしているとも言える。

王の臣下の洪国栄（ハン・グギョン）はテレビでも登場する人物なので理解しやすかった。それ以外は王族を除いて共通の役はなかったように思う。

面白いのは、敵役の王大妃（イ・サンの義理の祖母）を演じたハン・ジミンは、テレビではイ・サンと恋仲になるソンヨンの役だったこと。テレビを意識してのキャスティングだったのだろうか？

監督のイ・ジェギュは「チェオクの剣」などを手がけたテレビドラマ出身の監督で、これが映画初作品。この映画の公開当初は評論家に酷評されていたが、その後観客動員で盛り返したと伝えられている。 娯楽作品と割り切れば十分楽しめる。

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2014年に観た映画一覧