今日の映画 – フォックスキャッチャー(Foxcatcher)

1996年に実際に起こった殺人事件を題材にした映画。

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映画の終盤で殺人を犯すのがデュポン財閥の当主だったジョン・デュポン。デュポンといえば、テフロンとかケプラーなどで有名な世界有数の化学会社。この当主、大金持ちでマザコン、若いころに母親に反対されてできなかったレスリングに情熱を持つだけならまだしも、自分がレスリングの指導者であると思い込んでいるのでたちが悪い。このジョン役を演じるスティーヴ・カレルは「ゲット スマート」のスマート役などコメディ畑の人。この映画ではサイコ的な役柄を見事に演じている。

そこに絡んでくるのが、レスリングで金メダルを取ったシュルツ兄弟。理知的で指導者の片鱗を見せる兄デイブをマーク・ラファロ、体格は良いが兄ほど頭が回らない弟マークをチャニング・テイタムという配役。二人共レスラーの体格になって身のこなし、歩き方まで役になりきっているだけでなく、兄弟それぞれの特徴を上手く出しきっている。

以上3人の主要登場人物の演技は抜群と言っても良いくらいの出来だと思うし、それらを引き出した監督ベネット・ミラーの手腕も素晴らしいと思う。が、それでもこの映画を名作とは呼べないのはストーリーが暗いということだけでなく、精神分裂症気味の殺人者に共感を感じられないところからくるのかもしれない。


Trailer


2015年に観た映画一覧

番号 邦題 原題 監督 評価
10 フォックスキャッチャー Foxcatcher Bennett Miller 3.5
9 アメリカン・スナイパー American Sniper Clint Eastwood 4.0
8 おみおくりの作法 Still Life Uberto Pasolini 3.0
7 エクソダス 神と王 Exodus: Gods and Kings Ridley Scott 3.5
6 ドラフト・デイ Draft Day Ivan Reitman 2.5
5 今日の映画 – 特捜部Q 檻の中の女 Kvinden i buret Mikkel Norgaard 3
4 KANO 1931海の向こうの甲子園 KANO 馬志翔 3.5
3 ジミー、野をかける伝説 Jimmy’s Hall Ken Loach 3.5
2 シン・シティ 復讐の女神 Sin City: A Dame to Kill For Robert Rodriguez, Frank Miller 3.5
1 毛皮のヴィーナス Venus in Fur Roman Polanski 4.0
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