最近1ヶ月くらいの間に、スマートフォンに関してちょっと気になることがあったので、それらについての私的コメント。
気になった報道は3つ。発生順に以下の通り
- その1 – 「日本マイクロソフトが開発者向けイベントで参加者にWindows Phoneを配布」 → 参照記事
これはええねんけど、気になったのは記事中の以下の文言。
ただ、日本では発売されていない製品であり、利用するにはさまざまな制限がある。
電波を発信しないことが前提となる機器だけに、フライトモードをオンに、Wi-FiやBluetoothをオフにすることを徹底。そして、転売/譲渡も禁止だ。
要は、日本マイクロソフトは樋口さんの肝いりで日本の「技適」マークの付いていない端末をイベント参加者へ配布したってこと。
これについては、賛否いろいろな意見があると思うけど、個人的には「やるなぁ、樋口さん」。せやけど、技適マークに文句のひとつも言えへんのは大人やなぁ。
- その2 – 「訪日外国人の端末、技適なしでも“サクサク”通信可能に!? 制度見直しへ」 → 参照記事
日本に関わらず、政府が自国内での電波を発する機器がルールを外れて変な電波を出しまくったときの被害や対策の手間やコストを考えて、適切な規制をおこなうことには十分理解できる。 せやけど、「同じ端末を使ってる外人旅行者はOKで、日本人は法律違反」というのは、「そりゃないやろ」というのが実感。
いつまでも日本独自の技適に拘るとPTT交渉が進まんのと同じとちゃうかな。十分信頼できる規格を持っている国、例えば米国のFCCなど、とは相互に規格を統一して、片方で認可されれば他方でもそのままOKというようにするのがええのんちゃう?
- その3 – 「SIMロック解除義務化の方針正式決定」
個人的にはSIMロックが無いのは歓迎するけど、この総務省の決定や各社の報道は「SIMロックを解除したら通信料が安くなる」と、ちょっと短絡的すぎるんちゃうかな。
世界的に見て、ヨーロッパや東南アジアではSIMロックが掛かっていない端末が当たり前やけど、USは日本と同じくらいSIMロックを掛けるのが普通に行われている。
確かに、ユーザを囲い込んで、捕まえた顧客に高い通信料金を押し付けるためにSIMロックは使われているが、同時にキャリアが端末のディスカウントのための補填をするための保証に使われている面もあることに誰も言及していないことに不自然さを感じる。
僕はキャリアで働いたことはないけど、その立場に立ってみれば、考えるのは、
- 通信料金はいったん下げると二度と上げることはできないので、できるだけ下げたくない。 これは競合相手も同じことを考えているはず。
- 競合相手からユーザを奪うには、安い通信プランを提供して値下げ合戦になっても得るところはない。それよりも、魅力的な端末(例えばiPhone )を廉価で提供することでユーザを奪いたい。
- Appleは交渉相手としては手強いけど、Andoroidの端末メーカーとの交渉では、リベートをぶち込んで台数コミットしたったら、どういう価格設定にできるかを考えたうえで、相互にメリットのある範囲で魅力的な価格提示があるはず。これはハードウェアメーカにとってはプレッシャーではあるけど、トップブランドではないメーカにとっては市場参入のチャンス。ということは、エンドユーザにとっても思わぬ拾い物のチャンスがあるってこと。
というような事かなと思う。 要は、SIMロックを解除したらユーザに薔薇色の世界があるかという訳でもなさそうということ。 今の仕組みの中でも、如才ないユーザはキャリアを渡り歩いて得していたりしていて、反面よく分からない人は言われるままに高い料金を払って、それが普通だと思ってる現状はそう簡単には変わらないだろうというのが僕の意見。
総務省もSIMロックを解除させるなら、今のキャリア各社が標準にしている、「解除料」にメスを入れる方が先決と思うけどなぁ。