長野県の若手酒蔵後継者5人で昨年結成した「59醸」のプレゼンテーションと試飲交流会。名前の由来はメンバーが昭和59年生まれから来ている。正確には一人は60年生まれやけど。
プレゼンテーションでの説明によると、昨年にこの5人で何かをやろうということで、詳細が決まらないまま、各自日本酒を仕込むことになり、その際の共通ルールとして、
– 酒米は美山錦を使う
– 精米度合いは59%にする
を決めてスタートしたという経緯。それ以外の作り方は五人五様。特に酵母選びなどに工夫が凝らされている。そうして出来上がった酒を持って先週は地元長野県で、そして今週は東京銀座でイベント開催へ漕ぎ着けた。
会場は銀座五丁目にある「銀座NAGANO」の2階イベントスペース。昨年オープンした長野県のアンテナショップが1階にあり、店に入った正面には善光寺の回向柱のミニチュアが展示されていた。一階には各種物産の販売以外にバーカウンターがあり長野の日本酒やワインを飲むことができる。
開場すこし前の2階。最初20数名の予定が参加希望者が多かったので急遽32名に増やしたため、やや窮屈。まだ新しいことも有り、部屋の造りはスッキリしていて感じが良い。
開場の脇には’オープンの厨房があり、きょうの料理の準備真っ最中。
席につくと、テーブルの上には5つの蔵の銘柄をデザインしたコースターとそれぞれの説明書きが置いてある。
プレゼン開始前のスクリーンには「50醸」のロゴが大写し。
その横には日本酒が控える。
最初に「銀座NAGANO」の館長のあいさつ。横にいる人は地元長野のデザイナーで、ロゴ、ラベルのデザインなどを一手に引き受けた人。今回のイベントが統一感を持っていい感じで行われたことの功績の相当部分はこの人のデザインによると思う。
酒蔵のメンバーのうちの3人。開始直後はちょっと緊張気味。
残りの2人+日本酒ライターのスタッフ。
そして、現場を実質仕切っていた「銀座NAGANO」のスタッフ。
酒を注いだオリジナル猪口が配られ、乾杯。
各酒蔵のプレゼンを横目に、それぞれの酒をいただく。ボトルが各テーブルに配られ、あとは無礼講。
ボトルのデザイン。
料理も登場。干大根など、長野食材を使った料理。どれも日本酒のアテに良いものばかり。器は紙やプラスチックの使い捨てのものを使っていたが、安っぽい感じにならず、思ったよりよかった。
食器を載せていた折敷も長野の木材製。
メインは鶏の唐揚げ、アスパラガス・ソース。この器も実は薄いプラスチック製。
さらにおにぎりと具だくさんの味噌汁。
最後はデザート。
5種類の酒を飲み比べて、同じ酒米、精米度合いで造っても、香りや味わいがそれぞれ異なって面白かった。酵母の違いが大きいとはいえ、同じ9号酵母を使っていても違いが出てくるのは、各蔵の環境や造り方など伝統によるものか。
また、最初の一口目と時間を置いてからの味、食事をしながらの味などの変化も感じられた。毎年おいしい酒を作り続けている酒蔵の酒と比べて、今回の試みは1年目で完成度は高くないかもしれないけど、5蔵とも工夫を凝らして造った努力を感じることと、味も十分美味しいレベルにあると思った。個人的に好みのものを一つ選ぶとすれば、花酵母を使った「積善」。
帰りに1階のショップでケロリンの木桶を発見。長野県のみの販売で、東京で買えるのはこのショップだけ。ちょっと高かったけど、銭湯用に早速購入。
銀座NAGANO(東京都中央区銀座5−6−5)