今日の映画 – キングコング 髑髏島の巨神(Kong: Skull Island)

「キングコング 髑髏島の巨神」のポスター

映画レビュー

キングコングは何回も映画化されていて、最初が1933年のヒロインがフェイ・レイのもの、2回目が1976年でヒロインはジェシカ・ラング、3回目は2005年のナオミ・ワッツ。3作とも基本のシナリオは同じ。男2人、女1人の3人組が南太平洋の髑髏島へ出かけて島の神キングコングと遭遇、捕獲して見世物にするためにニューヨークに連れて帰るがコングが逃走。エンパイアステートビルあるいは貿易センタービル登るが人間に攻撃されて息絶えるという筋。この映画では、髑髏島、原住民、島の巨大生物などのオリジナルのアイデアを使いながら、舞台をコングのお膝元の髑髏島だけとすることでコングと人間との力関係を大きくコング寄りに変えている。

オープニングは太平洋戦争での日本とアメリカの空中戦と髑髏島に墜落したアメリカ、日本双方のパイロットの戦い。ここでいきなりキングコング登場。この種の映画では延々と気配だけを見せておいて、痺れを切らしたころでご本尊登場というパターンが多いことを思えば出し惜しみせず気前がよい。

それから約30年後、ベトナム戦争がアメリカ軍の撤退で収束する頃にアメリカの調査隊が髑髏島へ送り込まれる。主なメンバーはリーダで元SIS隊員のコンラッド(トム・ヒドルストン)、カメラマンのウィーバー(ブリー・ラーソン)、資源探索チームのランダー(ジョン・グッドマン)、生物学者のリン(ジン・ティエン)、地質学者のブルックス(コーリー・ホーキンズ)などの寄せ集めチーム。ただ、各キャラの深掘りなどは全く無く、話はどんどん進んでいく。最後の2人は大したセリフもなく頭数合わせのようでもあるがエンドロールの後にそうでもないことが分かる。彼らの護衛と島までのヘリコプターでの輸送を担当するのがベトナム帰りのパッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)とその部下。

細かいところを言えば突っ込みどころはそこら中にあるが、ヘリコプターが派手に墜落するのに死亡者か軽傷者だけで重傷者が出ないことなどを気にせず楽しむことがこの手の映画の約束事。全てのヘリコプターを失った後、徒歩で島を縦断する際に未知の巨大生物に一人ずつやられていくところなどはジュラシックパークを連想させる。また、夕日に向かってヘリコプターが隊列を組むところとか、音楽を大音量で鳴らしながら飛んでいくところは明らかに「地獄の黙示録」へのオマージュ。

今から約40年前の時代設定なので出発前のブリーフィングはプロジェクターではなくコダックのスライド映写機、オフィスではパソコンではなくディジタル・イクイップメント社(DEC)のVT端末が使われている。武器のことは良く分からないが時代考証をして当時のものを使っていると思うので、そういったところを見るのも楽しみの一つ。

この映画の続編の製作は既に決まっていて、マーベルの映画のようにエンドロールの後でおまけがある。チラッと見えるのは原爆の写真、日本の地図、地底で見つかったゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラのような壁画など。どうやら続編は日本の怪獣総出演となりそうな予感。

Trailer

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