昨年末に観た「バンクーバーの朝日」以来の野球映画。日本から見て海外での野球を題材にしたところは共通やけど、「バンクーバーの朝日」が日本人監督による日本人のチームの映画やったのに対して、「KANO」は台湾人監督による日本統治時代の台湾の、日本人、漢人、現地人の混成チームの映画というところが違う。
監督は「セデック・バレ」に出演した俳優マー・ジーシアン(馬志翔)。「セデック・バレ」の監督ウェイ・ダーション(魏徳聖)は制作に回った。
話は永瀬正敏演じる日本人監督が嘉義農林学校の弱小野球部を鍛え上げて甲子園で準優勝を勝ち取るという流れ。
映画は台湾でヒットしたが、「日本統治を美化している」という批判の声もあったという。その批判の多くは親中派のメディアからの発信だったとか、台湾のアカデミー賞に相当する賞にノミネートされたが受賞できなかったとか、そういう話が出てくるところが台湾の微妙な政治状況を反映しているようだ。
制作・監督のコンビが手掛けた「セデック・バレ」が日本統治時代の暗部を描いた映画だったということから、この映画をもって「日本統治を美化」と批判するのは単純すぎると思う。ライトサイドとダークサイドの両方を見て全体の理解が進むとすれば、録画してまだ見ていない「セデック・バレ」を観なければならない。
日本と台湾の過去を知って、現在と未来を考えることは大事と思うけど、単純に娯楽映画として観ても楽しめる。古い町並みなどはCGも駆使していると思うが、当時の甲子園球場を再現するのに内野の黒い土が台湾にないので苦労したとか、けっこう気合いを入れて作られている。
Trailer
番号 | 邦題 | 原題 | 監督 | 評価 |
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4 | KANO 1931海の向こうの甲子園 | KANO | 馬志翔 | 3.5 |
3 | ジミー、野をかける伝説 | Jimmy’s Hall | Ken Loach | 3.5 |
2 | シン・シティ 復讐の女神 | Sin City: A Dame to Kill For | Robert Rodriguez, Frank Miller | 3.5 |
1 | 毛皮のヴィーナス | Venus in Fur | Roman Polanski | 4 |