草津温泉へ行こう!

本白根山噴火

2018年1月23日に草津の本白根山が噴火して自衛隊員1名が死亡したことが報道された。本白根山から草津の温泉街までの距離は約5km、地元の草津町は翌24日に噴火口周辺2kmを暫定的に立ち入り禁止にしていること、その外側にある温泉街に危険はないという見解を公式サイトで公開した。

しかし、一部報道によると23日から26日までの宿泊キャンセルは約5,500件に上ったという。それなら、草津を応援に行くしかない。急遽温泉旅行を計画した。

東京からのアクセス

草津温泉がどこにあるかというと、群馬県の北西部、長野県境に近い山間の地。

草津温泉の場所

東京からの公共交通を使った行き方は、以下の通り。

新幹線 – 6,510円

  • 東京~高崎 (上越新幹線)
  • 高崎~永原草津口 (吾妻線)
  • 長野原草津口~草津温泉バスターミナル (バス)

在来線特急 – 5,770円

  • 上野~永原草津口(特急草津)
  • 長野原草津口~草津温泉バスターミナル (バス)

在来線普通列車 – 3,720円

  • 東京~長野原草津口(普通列車乗り継ぎ)
  • 長野原草津口~草津温泉バスターミナル (バス)

高速バス – 3,550円

  • 東京駅八重洲南口~草津温泉バスターミナル (JRバス関東)

鉄道を使った場合でも、草津温泉の最寄の鉄道駅(長野原草津口)から先はバスしかない。どうせ最後はバスに乗り換えるなら、最初からバスの方が乗換がなくて楽。草津温泉行きの高速バスは東京駅八重洲南口以外にもバスタ新宿や渋谷からの路線もある。元々の料金が鉄道よりも安いうえに、ネットで予約すれば割引があったり、早期割引などもあるので金額面では高速バスが有利。必要時間は停車個所数によって異なるが、ざっくり3.5~4.5時間で鉄道と比べても遜色ない。ということで高速バスに決定。

出発

東京駅八重洲南口のバスターミナルは改装されてきれいになっていた。ここに行先の異なるバスが並んでいるが、出発時刻を00分とか10分とかに統一しているようで、定刻になるとすべてのバスが一斉に出発していく。そして空になった乗り場に順次次のバスが入って客を乗せるという仕組みになっている。

東京駅八重洲南口

バスは全席指定。「東京ゆめぐり号」と名付けられていたが、2月3日10:10発のバスは乗車券の売れ行きが良かったようで、2台編成の運行になっていた。

バスは出発後、首都高から関越自動車道へと向かう。座席は片側2列、足元はエコノミークラスの飛行機よりはゆったりしている。USBの電源あり。 バス車内

途中、上里SAで20分の休憩。寒いが天気は快晴。
上里SA

バスは高速道路を降りて、国道353号線を走る。先日降った雪は道路には残っていないが、日当たりの悪い斜面斜面は白いまま。
鉄道の橋

途中で長野原草津口の駅で停車。鉄道で来た場合はここが最寄りの駅となる。ここで寒空の下バスに乗り換えることを考えれば東京からバスで来てよかった。
JR駅

終点の草津温泉バスターミナルまであと20分というところでなぜか運転手が交代。残りの行程で峠越えがあって路面雪が溶けた水で濡れている。幸い凍結していないが、行きかう小型車も徐行運転しているので冬場は雪道に慣れた地元の運転手に交代しているのかもしれない。
雪道

終点の草津温泉バスターミナルには定刻に到着。
バスターミナル

バスターミナルから宿に行く前に、すこし回り道をして草津の温泉街の中心地「湯畑」に行ってみる。この日は土曜日ということもあって観光客が多い。噴火の風評被害などどこ吹く風。
湯畑周辺

予約していた宿「旅館たむら」は湯畑から歩いて5分くらいのところにある。距離は近いが、途中の坂道がきつい。
旅館たむら

部屋は3階で和室8畳、洗面所とトイレが室内にあるごく普通の間取り。ここで一休み。
旅館たむら

草津温泉についてのおさらい

歴史

ヤマトタケルや源頼朝が開いたという言い伝えはあるが裏付けは残っていない。室町時代には、すでに有名になっていたらしい。戦国時代には、多くの戦国武将が草津の湯に入った記録が残っている。日本三名泉の一つということになっているが、三名泉というのも誰が言ったかによって複数あり、草津温泉が含まれているものもあればそうでないものもある。ただ、有馬温泉と並んで草津温泉は三名泉の常連であるようだ。泊まった旅館の廊下にも貼ってあったが、江戸時代に作られた温泉の番付では東の大関が草津温泉、西の大関が有馬温泉。当時は横綱は特例の役だったので草津と有馬の人気が高かったのは間違いなさそう。

源泉と泉質

個人や民間で管理されている源泉もあるらしいが、湯量が豊富で公的に管理されている源泉が6つある。そのうち、温泉街中心部にあるのは「湯畑」、「白旗」、「地蔵」の3つ。この3つはそれぞれ観光客も入れる共同浴場に引かれているので草津に宿泊しなくても無料で入浴できる。

泉質はpH2前後の強い酸性。硫黄を含み、色は透明。

共同浴場

町内には19の共同浴場があるが、そのうち観光客が入ることができるのは、町が管理している「白旗の湯」、「千代の湯」、「地蔵の湯」の3つのみ。白旗の湯に入った時に聞いた地元の人の話によると、以前は全ての共同浴場を観光客に公開していたが、一部マナーの悪い観光客がいたことで、各町会で手間と費用をかけて管理している共同浴場は地元の人たちだけが入れるとルールを変えたそうだ。

内湯めぐり和風村

共同浴場にあるのは湯舟と洗い場だけで、更衣室もなく浴室の片隅に脱いだ服を置く棚があるというシンプルな造りが多い。それに対して、旅館やホテルの中にある内風呂は宿泊客用にシャワーを備え、石鹸、シャンプーなども常備してある。中には日帰り入浴で利用することができるところもある。

そういう内湯を持った宿15軒で作る「和風村」のいずれかの宿に宿泊すれば、湯めぐり手形(1,000円)を購入し、1か所あたり入浴料700円を払うことで他の宿の内湯に入れるというもの。

街の風景

温泉街は湯畑を中心として東西、南北それぞれ約500mくらいの狭い地域に旅館や商店が集まっているので歩いて回れる。ただし、急な坂道もあるのでお年寄りには辛いかもしれない。

湯畑の東側には土産物屋が並ぶ。見た目はあまり日本的ではないが・・・
湯畑周辺

湯畑の反対側には西の河原通りの入口があり、通り沿いに山本館、奈良屋などの旅館が立ち並んだ温泉街らしい雰囲気。写真左側の一井旅館のように高い建物でホテルのような外観のところは少数派で、3階建てまでの小~中規模の宿が多いので風情がある。
西の河原通り

西の河原通りから少し入ったところにある共同浴場「凪の湯」。入口から階段で下っていくので浴室は半地下になっている様子。ここは旅行者は入れない。
共同浴場

湯畑から東側、地蔵の湯を超えた街外れにある「煮川乃湯」この共同浴場も地元の人専用。行かなかったが、この浴場のさらに東側に「大滝乃湯」という町営の日帰り温泉施設がある。煮川源泉のお湯に入れるのは、「煮川乃湯」と「大滝乃湯」だけ。
共同浴場

湯畑からバスターミナルへと向かう道。上り坂を進むにつれて普通の商店が並びあまり観光地らしくない。
ちちや

湯畑から泊まっている旅館へ戻る道。細くて、坂が急で、夜は暗い。
夜道

光泉寺

温泉街で見た唯一のお寺。神社は見かけなかった。湯畑から南西方向の高台に建っていて、麓には白旗の湯の源泉がある。
光泉寺

石段には雪が残っていて気を付けて歩かないと危ない。石段の途中に山門があり、登りきると本堂がある。
光泉寺本殿

湯畑源泉 ~ 千代の湯

湯畑源泉は草津最大の源泉で、旅館の内湯に使われるだけでなく、19ある共同浴場のうち10に湯を供給している。

源泉の温度が高すぎるので、7列ある木製の樋に流して湯温を下げるとともに、この樋に溜まる湯の花を採取している。
湯畑

最後に樋を通った湯は一つにまとめられ滝のように落ちていく。この湯が各所へ供給されていく。
湯畑の滝

湯畑の周囲を岡本太郎デザインの遊歩道が取り囲む。ここには無料の足湯もある。
湯畑の足湯

旅行者も入れる共同浴場「千代の湯」は湯畑源泉の湯を引いている。
千代の湯

ここはめずらしく、浴室と脱衣場が仕切られている。浴槽は小さめのが一つだけ。お湯はかけ流しで入ってみると43~44度くらいであまり熱くない。お湯は透明で意外なことに湯の花がほとんど無かった。
千代の湯浴室

白旗源泉 ~ 白旗の湯

元は「御座の湯」と呼ばれていたが明治30年に「白旗の湯」に改名された。名の由来は、この湯を源頼朝が発見したという言い伝えから源氏の白旗にちなんで名づけられたという。

源泉には木造の屋根が掛けられている。
白旗源泉

中はこんな感じ。「大切な源泉です、お金を投げ入れないでください」の表示があるが、それにも関わらず投げ入れられていた。
白旗源泉の内部

白旗源泉の湯に入れる共同浴場はこの「白旗の湯」だけ。ここには浴槽が二つあり、低温側は千代の湯と同じく43~44度くらい。高温側は、その場に居た地元の人が言うには48度。しかし、当の本人が湯に浸かってから「今日はぬるいな、47度か」と言っていた。いずれにしてもかなり熱い。なんとか入ってもじっとしているのが精いっぱいで、他人が湯を揺らすときつい。湯は透明で湯の花多め。
白旗の湯

地蔵源泉 ~ 地蔵の湯

地蔵源泉は「旅館たむら」の目の前にある。写真は宿泊した部屋の窓から撮ったもの。足湯の東屋の奥に見えるのが地蔵源泉、さらにその奥にあるのが地蔵堂。
地蔵源泉

共同浴場「地蔵の湯」は旅館たむらの隣にある。写真は足湯から見たところ。
地蔵の湯

地蔵の湯に入ってみると、驚いたことに浴槽だけでなく、洗い場の床も木でできている。床に彫られた格子状の溝の先に穴が開いていて床下に排水する構造。かけ流しのお湯は手前から奥の方へと流れるようになっている。お湯は白濁しているように見えるが実は透明で、湯の花が多い。
地蔵の湯浴室

脱衣場は浴室の片隅に棚があるだけで仕切られていない。湯に浸かっていても自分の荷物が見えるので合理的ではある。
地蔵の湯更衣場所

地蔵源泉の湯を使っているのは、この「地蔵の湯」とその前の足湯、そして宿の中ではおそらく旅館たむらだけのはず。旅館たむらの内湯(永楽の湯)は、男湯、女湯の他に貸し切り風呂が2つあり、今風の造りになっていた。
永楽の湯

旅館たむら

朝夕2食付きで2泊滞在。場所は湯畑から歩いて5分くらいで回りに商店がなく人通りも少ないので静か。建物は3階建てで規模は大きくないがその分家庭的なサービスが行き届いていて良かった。客室、浴場も高級感はないが、昨年暮れにリニューアルしたばかりできれいだった。
旅館たむら客室

食事は食堂へ行って食べるのではなく、部屋にお膳で持ってきてくれる。高級旅館は別として、この料金で部屋で食事できるところはあまりないのではと思う。夕食は18時に一斉に出すので固形燃料のコンロのもの以外は温かくないが、蒸し物などは別に温かいものを持ってきてくれる。和食の料理はいずれも美味しく量も極端に多すぎずちょうどよかった。唯一、ご飯の炊き具合が柔らかすぎたが、これは好みの問題。使っている米はおいしい米。2泊の間に食べた料理は順に以下の通り。
旅館たむらの食事1

旅館たむらの食事2

旅館たむらの食事3

旅館たむらの食事4

夜の街の風景

湯畑は夜の10時頃までライトアップされる。色は白と青が切り替わるだけ。
湯畑の夜景1
湯畑の夜景2

光泉寺の山門もライトアップされる。ちょうど石段の両側に残った雪が白く映えてきれい。
光泉寺の夜景

白旗の湯。屋根に雪が積もって風情あり。
白旗の湯の夜景

地蔵源泉から見た地蔵堂。
地蔵堂の夜景

東京へ帰る

草津温泉に2泊するあいだ、先日噴火したばかりの本白根山を意識することはなかった。風評被害が多少あったのかもしれないが、温泉街の中心部は人が多かったし、行きかえりのバスも満員だった。

草津温泉バスターミナルで出発を待つ間に地図を見ると本白根山はほぼ真西、白根山はその北側。その方向にあった山がこれなので、たぶんこれが本白根山だと思う。見たところ噴火の形跡はないみたい。
本白根山

帰りのバスはバスタ新宿行き。天気は快晴。外は寒いがバスの中は快適。一路東京へ向かう。
榛名山

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