宇治への道
高槻市に住んでいると、場所が京都と大阪の中間なので、どちらに行くにもアクセスは悪くない。ところが淀川の東岸、京阪電車が通るエリアに行こうとするとえらく不便になる。京都市の南東に位置する宇治もそういう目的地の一つ。バスで淀川を渡って枚方へ、そこから乗り換えてというのはあまり使いたくない交通手段。経路的には回り道になるが、京都経由で宇治というルートになる。
ここで選択肢は2つあって、JR京都線で高槻から京都へ行き、奈良線に乗り換えて宇治というのが第1ルート。阪急で高槻から河原町へ行き、京阪四条から中書島乗換で宇治に行くのが第2ルート。第1ルートの方が乗換が少ないが、駅に行くとJRが事故のために止まっていた。仕方なく第2ルートで宇治へと向かう。
宇治到着
この駅が京阪宇治線の終点。このあたりは京阪宇治線とJR奈良線が並走していて、JR宇治駅は宇治川を越えた先にある。
宇治橋を渡って平等院方面へと向かう。橋のたもとに茶の生け垣があるのが宇治らしい。
出てきた時間が遅かったので、いきなりランチ。
平等院
平等院の入り口とチケット売り場。
観光客が少なく静かだった。
教科書に出てくるし、10円玉の図案に使われているので誰もが知ってる世界遺産鳳凰堂
正面から。暗くて良く分からないが、本堂正面には丸い穴が開いていて本尊の阿弥陀如来の顔が見える。
敷地内にある平等院ミュージアム鳳翔館はモダンな造り。鳳凰堂の壁の像の半分はここに移されて展示されている。
敷地内にある塔頭の浄土院。塔頭という割には大きくて立派。
鳳凰堂というだけあって、屋根の上には鳳凰。
追加のチケットを購入して鳳凰堂の中に入ったが、撮影禁止なので写真はなし。平等院を後にして宇治川沿いの道を散歩。ここからも生け垣を通して鳳凰堂の正面が見える。
宇治川の中にある橋島。この島を経由して対岸へ渡ることができる。
アオサギ。静止したままで近づいても逃げようとしない。
橋島の中を散歩。
宇治川は鵜飼が行われる川で、鳥小屋でウミウが飼われていた。
宇治川の流れは思ったよりも速い。水鳥が流されながら魚を獲り、川下から飛んで川上に戻るというのを繰り返していた。先に見えている橋で宇治川の対岸へと渡る。
宇治神社、宇治上神社
橋を渡るとすぐに宇治神社の鳥居。
奥にもう一つ鳥居があって、本殿。
ちょうど蝋梅が咲いていた。
宇治神社の脇を通って奥へと進むと隣接する宇治上神社の鳥居がある。宇治神社、宇治上神社は明治時代に分離されるまで一つの神社だったらしい。起源は平等院よりも古く、後からできた平等院の鎮守社となったという。今は2つの神社は別々で、宇治上神社は世界遺産に登録されている。
宇治上神社の参拝殿。屋根の形に特徴がある。
さらにその奥にある国宝の本殿。斜面を生かした斜めの床、前後非対称の屋根など他で見たことのない造りの建物。
さわらびの道
宇治源氏物語ミュージアムを横に観て京阪宇治駅方面へ。
京阪電車宇治駅から二駅先の黄檗へ移動。
黄檗山万福寺
次の目的地は万福寺。歴史の教科書にも載っている隠元が興した禅宗のお寺。来るのは初めて。寺の境内の入り口も門は意外と小さく、中国風の造り。
入っていくと万福寺全景図があった。これを見るとかなり大規模、さすがは三大禅宗の一つ黄檗宗。
さっきの小さな門は入口で、こちらの立派なのがが山門。
山門から先へと続く道にはひし形の敷石。
天王殿。
祀られてるのはほていさん。
建物間は回廊で繋がっている。
木魚の原型といわれる「魚梆(かいぱん)」その向こうにある青銅製の板が「雲板」。
もっと小さな「巡照版」というのもあって、朝夕にこれを打って戒めの句を唱えるとか。
一段と立派な大きな建物が本堂の大雄寶殿。木材はすべてチーク材で作られている。
正面の額と香炉。
ご本尊。
本殿両側に並ぶ仏像群。
本殿の裏側にある法堂。左右の方丈と繋がっている。屋根の形が美しい。
法堂より卍くずしの勾欄越しに本堂を見たところ。
観光客が少なくてゆっくり見て回ることができた。隅々まで手入れされているのにお寺の人も数人しか見かけなかった。
宝蔵院
万福寺を出て右手の方へ行くと宝蔵院という寺がある。宝蔵院から連想するのは、宮本武蔵にも出てくる宝蔵院流槍術。これは観ておかねばならないと行ってみたところ。小さなお寺で背後に近代的な大きな建物があって、槍術とは関係なさそう(注:宝蔵院流槍術の宝蔵院は宇治ではなく奈良だった)。この寺は多くの宗派の経典の版木を収納しているライブラリーのような役割だった。中に入ることはできないので外から見るだけ。
帰りに黄檗の有名なパン屋のたま木亭に行ってみる。幸い混んでいない時間で、待たずに入れた。
店の中はこんな感じ。いくつかパンを買って帰る。家に帰って食べてみたらうまかった。
帰りはJR黄檗駅より。