今日の映画 - 誰もがそれを知っている(Todos lo saben)

Todos lo saben

映画レビュー

監督はイランのアスガー・ファルハディ、主演は実生活でも夫婦のペネロペ・クルスとハビエル・バルデム。であれば観ない訳にはいかない。映画のカテゴリーは誘拐が絡むのでサスペンス物。犯人が誰か分からない状態でかなり引っ張るので、観る側はその気がなくても、いろいろと推理してしまう。最後に犯人が分かるが「う~ん」という感じ。振り返ってみれば映画の初めの部分に推理するための伏線が仕込んであったとは言えるが、推理物というには犯人のインパクトがなさすぎ。

なので、この映画は推理・サスペンス物ではなく、スペインの農村部での地主一家とそれをとりまくコミュニティの人間ドラマと見たほうがしっくりする。これは映画の冒頭、結婚して南米に移住したラウラ(ペネロペ・クルス)が妹の結婚式に出るために里帰りするところでガツンとやられる。というのは、とにかく矢継ぎ早に登場人物が現れて、とてもじゃないけど誰が誰なのか認識できない。

これはマズイなと思いながら観ていくと、主要登場人物が絞られてきてなんとか話に付いていけるようになって一安心。一方で、平和な大家族に見えた一家とその関係者なのに、誘拐事件を期に、過去の怨念みたいなのがボロボロと出てくる。ここで主体的に動くのがラウラの元恋人のパコ(ハビエル・バルデム)。地主の次女のラウラと小作人のパコがかつては恋仲だったというのは周知の事実だが、ラウラと結婚したアレハンドロとの間の長女イレーネの父親は実はパコだったということで話がややこしくなる。

イレーネの出生に秘密はラウラとアレハンドロしか知らないはずだったのに、実は村人が勝手に想像して「誰もがそれをしっていた」状態だったのに、当事者のパコが知らないという奇妙な状況から平和だったはずの人たちの生活が崩壊していく。ストーリーとしては悪くないが、パコが全てを投げ売ってしまうところの感覚がいまいちよう分からん。パコの嫁さんのベアが気の毒やん。

映画しての完成度については今ひとつという気もするが、ペレロペ・クルスが出てるからまあ、ええやろ。ハビエル・バルデムはどうでもええけど、まあええやろ。この2人が共演した映画として真っ先に思いつくのはウッディ・アレンの「それでも恋するバルセロナ」。ハビエル・バルデムの元嫁役のペレロペ・クルスのぶっ飛び方に比べたらペレロペ・クルスの魅力を十分引き出せてなかったのが心残り。まあええけど。

予告編

2019年に観た映画

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