今日の映画 - レディ・プレイヤー1(Ready Player One)

Ready Player One

映画レビュー

スティーブン・スピルバーグ監督作品。スピルバーグは、インディ・ジョーンズ、ET、ジュラシックパークなどの娯楽物、シンドラーのリスト、ブリッジ・オブ・スパイなどのシリアス物の両方を撮り続けているが、直近では娯楽物では本作品、シリアス物ではペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書を連続して撮っている。さらに自ら監督する作品以外に製作総指揮として関与している本数がかなりある。70歳を越えてのこのバイタリティには驚くばかり。

この映画は娯楽作品とはいえ、アニメ、ゲーム、映画オタクにとってはめちゃくちゃ内容の濃い映画。ストーリーは、現実世界が残念なことになってしまった近未来で、人々はVR(仮想現実)「オアシス」に入り浸り、現実世界の自分と仮想現実での自分のアバターを行ったり来たりしている状況。その「オアシス」の開発者で大富豪のハリデーがオアシスに隠されたイースター・エッグを見つけたものにオアシスを含む全てを譲るとの遺言で争奪ゲームが始まるという流れ。

主要登場人物は、オタクの青年ウェイド/パーシバルと仮想現実での友達4人(アルテミス、エイチ、ショウ、ダイトウ)。敵役は、巨大ゲーム企業IOIのノーラン・ソレントとその手下たち。そしてオアシス開発者のハリデー。

とにかく、他の映画やアニメなどの登場人物、ロボット、乗り物、ガジェットなどなどのクロスオーバーが満載。映画の筋を追いながら、ただでさえ目まぐるしく動く画面の中で知っている物の形を見つけるだけでなく、会話の中にさり気なく出てくるキーワードを聞き分けるのは至難の技。しかも、日本のサブカル全般に通じている訳ではないので、知らないものもあることに加えて、日本では知られていないキャラクターも盛り込まれているので普通の人に判別は無理。

映画を観終わった後で、Wikipediaの記事を見たが、リストアップされているクロスオーバーの1割程度しか認知できていなかった。聞くところによると、原作者のアーネスト・クラインは日本のサブカルチャーの超が付くほどのオタクで、Wikipediaによると東映制作日本版スパイダーマンに出てくるレオパルドンというロボットなども登場するらしいが、誰にも分からないので映画ではカットするなどオタク色を薄めたものらしい。

見方を変えれば、これだけのクロスオーバーを実現するには、膨大な著作権の交渉が必要だったはずで、スピルバーグの情熱と知名度があって初めて可能になったものと思われる。マーベルやDCなど、自分の領土の範囲でのクロスオーバーは今後も活発になると思うが、この映画以上の境界を飛び越えたクロスオーバーを実現する映画は今後も出てこないのではないだろうか?

Wikipediaの記事に書いてあったこと以外で気がついたことが数点。

  • 現実世界と仮想現実を並行して見せる映画としては、「アバター」があるが、それよりも「マトリックス」との類似性を感じた。
  • オアシスの開発者ハリデーとそのパートナーのモローの2人は、アップルの創業者のジョブズとウォズニアックを連想させる。
  • 小さいニンジャのような格好をしているショウは背中に2本の刀をクロスに掛けている。これはデッドプールに似ている。

映画は140分とやや長めだが、盛りだくさんの内容をこの時間に要領よく詰め込むスピルバーグの才能には恐れ入る。冒頭の時代、環境背景の説明も簡潔だし、パーシバルの4人の友達のうち、アルテミス以外の3人はポイントを抑えた必要最小限のキャラクター紹介で観ていて違和感の無いところに落とし込んでいる。ハリデーの全生涯のビデオを収めたライブラリーは観ていれば分かるということで詳しい説明は省略という具合。

原作は、アーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」という小説。映画化にあたって「Ready Player One」としたことは、次に「Ready Player Two」を期待しても良いということだろうか?

予告編

2018年に観た映画

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