今日の映画 – パッセンジャー(Passengers)

「パッセンジャー」のポスター

映画レビュー

宇宙物のSF映画には、サンドラ・ブロックの「ゼロ・グラビティ」とかマット・デイモンの「オデッセイ」のように出演者が数人で映画のかなりの部分が一人芝居というのがあったが、この映画も登場人物が少ない。いずれの映画も極限状態に一人取り残されるというところが共通している。

5000人の冬眠している移住者を載せた宇宙船で、目的地までの120年の旅の途中、30年目に運悪く目が覚めてしまったジム(クリス・プラット)がしばらく一人舞台、その1年後に目が覚めるオーロラ(ジェニファー・ローレンス)が加わって2人、あとから3人目のガス(ローレンス・フィッシュバーン)が起きる。これにアンドロイドのバーテンダー、アーサー(マイケル・シーン)を加えた4人が主要登場人物で、それ以外はラストシーンで起き上がってくる人と録画ビデオに出てくる人でいずれも本筋に関係ない人たち。アンディ・ガルシアがどうでも良い役の一人で出演している。

クリス・プラットは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「ジュラシック・ワールド」とメジャー作品での主演を経験してこの映画でも主演。さらに今後「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス」、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ジュラシック・ワールド」の続編への出演が決まっているがいずれもSF。最近では西部劇「マグニフィセント・セブン」でいい味出していたので普通の映画での性格俳優としてやっていけるか観てみたいところ。個人的には「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のB級色の強い映画での役柄が好きやけど。この映画の役では、運の悪い人、あかんたれ、ヒーローと異なる見せ方が必要になるが、もうちょっと演技に深みが欲しい感じ。

ジェニファー・ローレンスは綺麗になってるけど、クルーが冬眠しているロックされている部屋をガンガン叩いて開けようとするところとか、自分の覚醒の真相を知らされてクリス・プラットの寝込みを襲ってどづいて蹴りを入れるところとか、随所に天然を出すところで本領発揮。「世界にひとつのプレイブック」であっさりとアカデミー主演女優賞を獲ったのに、「ハンガー・ゲーム」シリーズや「X-メン」シリーズのような娯楽作品に出ているもの好感が持てる。

2017年のアカデミー賞では受賞は逃したが、美術賞にノミネートされている。宇宙船の外観は美しいし、船内も無機質な感じの部分と冬眠カプセルからパイプが伸びているところなど有機的な部分が調和していてよく出来ていると思う。撮影も、船内の重力が失われて浮き上がるところ、特にプールの水が宙に浮くところなどかなり手が込んでいる。

ストーリーでは、同じ乗客でもクラスの違いがあって、オーロラがゴールドクラスの食事を普通に食べられるのに、ジムはエコノミークラスの食事で、飲み物のマシンでも一番安いやつしか飲めないような笑える部分も織り込んであるし、航海を続ける途中で、ロボットが変な動きを始めたり、アラートのランプが点くところなどを見せて徐々に不安を高めていくところなどは良い。

一方で、荒っぽいところもいくつか目につく。例えば、ジムが航海の1/4しか来ていないところで起こされたときのコンピュータの人工知能が目的地へ到着すると伝えるが、コンピュータが現在位置を知っているはずなので変な感じがする。また、原子炉でさえ自動修復してしまうような高度なコンピュータなのに、2年間も宇宙船の不具合箇所を見つけることが出来ず、人手で探すというのもちょっと苦しい。

まあ、そういう突っ込みを入れたくなるところもあるが、素直に見て楽しめる映画ではある。

Trailer

2017年に観た映画

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