今日の映画 – オクジャ(Okja)

オクジャのポスター

映画レビュー

今年観た映画では「最後の追跡」と同じくNetflixが製作してストリーミング配信する劇場公開されない作品。Netflixはその資金力に物を言わせて独自ドラマを製作し、それを競業他社との差別化要因とする戦略をとってきたが、ここ数年は連続ドラマにとどまらず、2時間前後の長さで劇場へ持っていけば「映画」として通用するような作品を制作し、その品質は確実に向上してきている。

ちなみに、カンヌ映画祭は2017年はネットのみで公開されて劇場で掛けられない「映画」にも門戸を開いていて、このオクジャもコンペ部門に参加している。ところが、来年からはコンペに参加するためにはフランス国内での劇場公開を必須条件とすると発表があって、論議を呼んでいる。

この映画の監督は韓国のポン・ジュノで、製作もアメリカと韓国の合作となっている。また映画の舞台も、韓国とアメリカ。出演俳優も名のあるところをそろえて、CG/VFX使いまくりで相当金をかけた映画。

ストーリーは巨大企業「ホランド」が極秘裏に遺伝子操作した食用豚を世間の目をごまかすために、世界数ヶ所の農家に飼育させ成長後にコンテストを企画するのが背景。その飼育農家の1つが韓国の山中にあり、そこの女の子が主人公のミジャ(アン・ソヒョン)。飼われている巨大ブタの名前がオクジャ。

映画を観て驚くのはCGで造られた巨大ブタと実写との合成。かなり動きのあるアクションシーンもあるし、オクジャの上に重なってミジャが寝るような実写撮影が難しそうな合成シーンもふんだんに使われている。

それに比べてストーリーの組み立てはいささか荒っぽい。オクジャを救出しようとする動物愛護団体を「善」、ホランドを「悪」という対立関係においてそれぞれを現実離れしたコミカルな集団として描くのは良しとして、大元のテーマが何なのかがはっきりしない。

家畜の食肉化を否定しているものではなさそうだが、家畜を育てる過程での虐待に反対している風でもあるし、そうでもないかもしれない。ビジネスのために内緒で遺伝子操作する大企業を批判しているのだろうと見ていると、あれっと思わされる。

その利益第一主義の企業が作った優秀品種がオクジャのはずなのに、繁殖用として使わずに屠殺してしまおうとするのも矛盾している。さらには、韓国でミジャの祖父からのオクジャ買い取りの申し出を断りながら、最後に同じ金額で手放すというのも不自然。

出演者の中では、ティルダ・スウィントンがホランドのサイコパス経営者姉妹を一人二役で怪演。それに輪をかけたのが「ナイトクローラー」以来変な俳優第一人者のジェイク・ギレンホール。ミジャ役のアン・ソヒョンも頑張ってます。

予告編

2017年に観た映画

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