今日の映画 – マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!(My Generation)

My Generation

映画レビュー

タイトルの「マイ・ジェネレーション」は、イギリスのロックバンド「ザ・フー」が1965年に発表した曲のタイトル。この映画はイギリスの60年代をインタビュー、過去のアーカイブで綴った力作。マイケル・ケインがナビゲータとなって自身の過去の映像を交えながら進行していくドキュメンタリー。

まず、映像として登場する人たちが、ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、マリアンヌ・フェイスフル、ツィギー、デイヴィッド・ベイリー、メアリー・クワント、ジョン・レノン、デイヴィッド・ボウイ、ヴィダル・サスーン、デイヴィッド・ホックニー、ジョーン・コリンス、サンディ・ショウなどなど、錚々たる顔ぶれ。これだけで十分見応えあり。映画中の音楽も当時の曲が満載。

60年代といえば、第二次世界大戦によって、かつて栄華を誇った大英帝国の国力は落ち、世界の覇権をアメリカに譲った時期。しかし、ロックの発祥を始め、この時期イギリスが音楽界に与えた影響は非常に大きい。映画を観ていて分かったのは、イギリスは思っていた以上に階級社会、それが大英帝国を支えていたが、国力が下がるとともに中~下層の一般人、特に若者の活力が劇的な変化をもたらしたということ。おそらく、それまで抑圧されていたことの反動が各方面での爆発的な変革に繋がったと考えれば理解しやすい。見方を変えれば、「音楽」というものが階級のしがらみをぶち破る突破口になったのかもしれない。

マイケル・ケインは今でこそ歳を重ねてイギリス紳士然としているが、本人が映画の中で語っているように、コックニー訛りを克服するのに苦労した労働者階級出身。大作だけでなくB級と言わざるを得ないような軽い映画にも出演して偉ぶったところがない俳優。上流階級の支配が続いていたら日の目を見ることがなかった人なので説得力がある。

階層社会の重しから逃れて新しい文化が輝いたイギリスの60年代を描いているが、映画の終盤では若者がドラッグに蝕まれていく姿を見せて陰りが近づいていることを仄めかす。何事にも始めがあれば終りがあり、時代は繰り返すということか。

予告編

2019年に観た映画

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