今日の映画 – メリー・ポピンズ リターンズ(Mary Poppins Returns)

Mary Poppins Returns

映画レビュー

1964年の映画「メリー・ポピンズ」の54年ぶりの続編。前作で子供だったバンクス家のジェーンとマイケルが大人になっていて、マイケルにはアナベル、ジョン、ジョージの3人の子供が居るという設定。時代設定は前作が1910年、この映画は25年後の1935年で世界恐慌で不景気な時代、場所はいずれもロンドン。

主役のメリー・ポピンズは前作ではジュリー・アンドリュース、本作ではエミリー・ブラントが演じる。ジュリー・アンドリュースといえば、舞台で演じてヒットさせた「マイ・フェア・レディ」が映画化される際に、歌えないオードリ・ヘップバーンに主役を奪われて失意の後、「メリー・ポピンズ」で映画デビュー、アカデミー主演女優賞を獲得したという記念作。この映画中の曲は全て新しく作られているが、メリー・ポピンズの声はエミリー・ブラントが歌っているらしい。歌では4オクターブの声が出せたというジュリー・アンドリュースには敵わないが、庶民的なジュリー・アンドリュースのポピンズよりもスマートで今風。

さて、この映画の評価は、前作を観ているかどうかによって違ってきそうな気がする。例えば、前作でのディック・バン・ダイク演じる煙突掃除屋に相当するジャックはガス灯を点灯して回る仕事。25年経って、さすがに暖炉は使われなくなったのかと思えるのは前作を観ていたから。映画の最後にジェーンとマイケルが昔に銀行に預けた2ペンスに利息が付いて大金になっていたことが分かるが、元の2ペンスは前作で預けたもの。凧揚げの凧も前作から引き継いでいるし、実写とアニメが混在してアニメの世界へ入っていくのも前作へのオマージュ。このアニメも最新の3D VFXではなく、わざわざ昔風の2Dで作っている。

ラストでは今年93歳のディック・バン・ダイクがゲスト出演して踊ってみせるおまけ付き。前作をなつかしく思い出しながら観ると楽しいけど、そうでない人には楽しさ半分かも。

予告編

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