今日の映画 – ライフ(Life)

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映画レビュー

最近はあまり聞かないが、「失敗する可能性があるものは、いずれ失敗する」というような人生の教訓をあつめた「マーフィーの法則」と呼ばれるものがある。

この映画を一言で表すなら、「マーフィーの法則を映画化したもの」。

宇宙空間を舞台にしたSFはたくさんある。類似性を捜すなら、密閉空間での捕食生物との戦いでは「エイリアン」、宇宙ステーションでの活動と脱出では「ゼロ・グラビティ」、地球外生命との戦いと地球への侵入阻止では「プロメテウス」を連想する。しかし、これらの映画が、想定外のトラブルに見舞われて悲惨なことになりつつも、主人公の機転で悪いなりでも最善の結果になったが、この映画は・・・

火星から採取されたゾウリムシのような地球外生物「カルバン」は、成長してきれいな花のような形になるが、さらに成長して半透明のタコのようになって動き回るのは「エイリアン」に負けず劣らず気味が悪い。

出演者は国際宇宙ステーションの6人だけ。国籍はアメリカとイギリスが2人、日本とロシアが各1人。最近の映画では中国の興行を考慮してか中国籍の役や俳優が多くなってる中で、真田広之が日本人エンジニア「ショウ・ムラカミ」として出演している。

鳴かず飛ばずの俳優生活から「デッド・プール」でブレイクしたダイアン・レイノルズは、冒頭の火星探索から戻ってくる故障した宇宙船をマニュアル操作のアームで捕まえる。この宇宙ステーションのチームで計画が予定通りに事が運んだのはこれが最後で、あとはやることなすこと裏目に出る。

変な役が板についてしまったジェイク・ギレンホールは、宇宙滞在が長くて地球に戻りたくない宇宙飛行士役で、最後に男気を見せる役やったはずが、うーん。

ステーション内の無重力状態、船外活動のシーン、カルバンの動きなどVFXは手抜きなくしっかり撮っている。いくつか細かな突っ込みたくなるところはあるが、一応ストーリは破綻ない。そして、ヒーロー/ヒロインを作らない脚本は、終わってみると実はコメディじゃなかったのかと思わせる微妙な味わいがある。ともかく、変な映画。カルバンが気持ち悪いのでもう一度観たいとは思わないが、映画自体は嫌いじゃない。

予告編

2017年に観た映画

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