今日の映画 – 少女ファニーと運命の旅(Le voyage de Fanny)

少女ファニーと運命の旅のポスター

映画レビュー

フランス、ベルギー合作の実話に基づいたナチス物。フランスで親から離れて支援組織に匿われているユダヤ人の子供たちが、隠れ家が危なくなったのでスイスへ脱出する途中、大人からはぐれて子供たちだけで行動するという話。リーダの当時13歳のファニーの自伝が原作。

ナチスにユダヤ人とバレないようにしながらの逃避行は、サスペンス物としては過去何度も映画になってはいるが、この映画も主人公たちの機転で危機を逃れたり、密告があったり、つかの間の楽しい時間があったり、ごく普通。この映画のユニークなところは逃げるのが子供だけの9人で、幼児から17歳までの混合チームであること。

ファニー役のレオニー・スーショーは、けっして美少女ではなく、表情も暗いし、華がないなあと観ていたが、リーダーとしての責任感をもって行動していく役柄に合っている。途中で別行動を取って捕まってしまうコックの男の子エリーから預かった手紙は実は白紙で、それを読んでくれるように皆にせがまれた時に、とっさに話を作って読んだふりをするところなんか、弁慶の勧進帳を思わせる。

この白紙の手紙は、ことあるごとに出てきて、ラストシーンでも使われるが、脚色としてはわざとらしさが鼻につく。ラストシーンはエリーが話していたジグザグに走れというのが伏線になっているのは良いが、その前に最年長17歳の女の子がおぶっていた幼女を道半ばで放り出しているというのはどうしたものか。

予告編

2017年に観た映画

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