「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」に続く、原作：ダン・ブラウン、監督：ロン・ハワード、主演：トム・ハンクスの組み合わせでの第3作目。

といっても、前作までとはトム・ハンクス演じるラングドン教授が共通なだけで、その他の登場人物やストーリー上の繋がりはないので、この映画を単独で観ても大丈夫。

ネタバレ込みの主要登場人物は次の通り。

• ラングドン教授（トム・ハンクス）
• ジブリスト – バイオテロを計画した大富豪、映画開始直後に死亡（ベン・フォスター）
• シエナ – ラングドンを担当した女医、実はジブリストの恋人で信奉者（フェリシティ・ジョーンズ）
• シムズ – 民間セキュリティ会社のボスでジブリストを匿う契約をしていたが、ジブリスト死亡後はシエナに協力してラングドンを誘拐したりするが、テロ計画を知ってWHOに協力する（イルファーン・カーン）
• シンスキー – WHO長官のおばちゃん、謎解きをラングドンに依頼する（シセ・バベット・クヌッセン）
• ブシャール – WHOの職員だがウイルスを横取りして商売しようとして単独行動する（オマール・シー）

  ややこしいのは、これらの登場人物が立ち代わり、入れ替わり登場して、誰が味方か敵なのか最初のうちはよく分からんこと。

しかし、ストーリーは、ジブリスタというアメリカの大富豪が、このまま人口が増え続けると人類は滅亡すると考えて、殺傷力の強いウイルスを撒いてバイオ・テロをやろうとするが、それを阻止しようとするWHOに追い詰められて自殺。ウイルスの隠し場所がダンテの地獄篇にちなんだ暗号化されていて、その解読で巻き込まれたラングドン教授が今度も世界を救うという話で基本部分はさほど複雑ではない。

通常のサスペンス物との違いは、ラングドン教授がダンテ絡みの謎解きをおこなって、フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールを飛び回るということ。ラングドン教授が職業柄、各地の歴史的建物を秘密の抜け穴まで含めて熟知しているので、プロの追跡から簡単に逃れてしまうことくらい。それは悪くないのだが、そういう考古学的であるがさほど深掘りしていないプロットと例によって堅実なトム・ハンクスの演技に頼りすぎている感じがしてしまう。

よく練られたように思えたストーリーも、改めて考えてみると、ジブリストがウイルスを撒くつもりやったら、分かりにくいところへ隠したり、その隠し場所を暗号化したりするから失敗したんちゃうのん？ ウイルスできてんやったら、即撒いたら終いやったのに。

そういうわけで娯楽映画として楽しめるが、前2作には及ばない。3作目になって、ダン・ブラウンもネタが尽きてきたか？

Trailer

2016年に観た映画