今日の映画 – アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(Eye in the Sky)

Eye in the Sky

映画レビュー

ヘレン・ミレン主演の戦争映画。だが、戦争映画といっても戦闘シーンは出てこない。科学技術の発展のおかげで、人工衛星からの撮影で人の判別ができる。危険を犯して有人の兵器を敵地へ送らなくても、無人のドローン飛行機にミサイルを搭載して遠方からピン・ポイントで攻撃できる。この映画でも、イギリス、ネバダ州、ハワイの3つの軍事施設がリアルタイムで協力しながら遠方の偵察、攻撃をリアルタイムでやっている。

となると、戦争はテレビゲームのようにコンピュータの画面を見ながらボタンを押すだけになってしまいそうだが、最後まで現場で必要なのは偵察部隊。映画では人工衛星からは見えない家の中に容疑者が居るかどうかを確認するため危険な偵察が行われる。この偵察員を演じているのは「キャプテン・フィリップス」での海賊役のバーカッド・アブディ。彼はハチドリ型や昆虫型のロボットカメラをタブレットで操縦しながら敵アジトの室内を撮影して中継するが、このシーンがいちばんハラハラする。

映画の中で使われるハイテク兵器などがどこまで現実に存在するのかは良くわからないが、飛行機型のドローンはすでに似た形のものが報道されていたので実用化されていると思う。一方、飛行できるロボットカメラはちょっと怪しい。特にカブトムシ型のは空中を飛ばすだけのバッテリーを積めそうにないし、どうもフィクション臭い。

場面は、長年追っていたテロリストを発見して、手続きを簡略化してでも早く攻撃したい軍の上層部。民間人を巻き込む可能性があるため、厳密な手続きを求める担当者。軍から攻撃許可を求められると責任逃ればかりで決断できない政治家たち。そして彼らから遠く離れた危険な現場を切り替えながら進んでいく。意見の相違やルール違反があっても、決断して物事を進めようとする軍人となにも決められずに右往左往する政治家を対比させて見せられると軍人側に肩入れしたくなってくる。しかし、この映画が見せている軍の手続き、例えば民間人に及ぼす被害想定を毎回計算して攻撃を実行するかどうかの判断にしているところなど、それが真実なのかフィクションなのかは見ているだけでは分からない。もし、そこまで周到な手続きが取られているのなら、ドローンの攻撃で民間人が多数巻き込まれて死傷しているという報道はなんでやのんと思ってしまう。

イギリス軍の将校役のヘレン・ミレンはもう70歳くらいやのに相変わらず元気。ここ最近では、「黄金のアデーレ 名画の帰還」や「マダム・マロリーと魔法のスパイス」も良かったが、この映画ではシュッとした軍人を達者に演っている。

あと、ドラマ「ブレイキング・バッド」のジェシー役で人気がブレイクしたアーロン・ポールがヘレン・ミレン、アラン・リックマンと並んでクレジットされている。登場シーンは多くないが、ドラマではエミー賞の最優秀助演男優賞をとっているので映画界でも活躍を期待。

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2017年に観た映画

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