今日の映画 – ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)

Doctor Strange

映画レビュー

マーベルの映画はどこかアメコミの安っぽさが抜け切らなくて、慣れるとそれがまた良かったりする。ディズニーの傘下に入って資金が潤沢になったせいか特撮がより豪華になったが、それでもリッチなB級映画の感を拭いきれない。そこに、シェークスピアからSFまでと芸域が広く、同世代では人気も実力トップクラスのベネディクト・カンバーバッチを主演に持ってくるというミスマッチがこの映画の魅力の一つ。

そして、この配役はうまくいったと思う。カンバーバッチが魔法使いに弟子入りした最初の頃は、誰も笑わないジョークを連発して滑ったり、他の弟子たちがちゃんとできている訓練でショボイ結果しか出せなかったり、ひょうきんな一面を見せている。弟子入り先で兄弟子のモルドに寝泊まりする部屋へ案内され、文字が書かれた紙切れを渡されてたときにストレンジが「マントラか?」と聞いて「WiFiパスワードだ。」と返されたところでは爆笑。

魔法に関した映画では、「ハリー・ポッター」シリーズを思い浮かべるが、「ハリー・ポッター」の中での魔法は杖と呪文で遠隔からかけるのが多いのに対して、ストレンジが習うのは魔法で武器などを呼び出してそれを使って肉弾戦をやるようなのが多い。魔法の武器を持ったからといって、なんで急に武闘家のような動きができるようになるのかは不明。まあ、原作はイギリスの小説ではなくアメコミなので細かなところは気にしない。

とはいれ、ストレンジの魔法の上達スピードは速すぎる。素質があるとはいえ、大した期間が経ったようでもないのに、あっという間に悪と対峙するええもん組の主力選手に上りつめる。しかし、新入りが相手のボスキャラ相当のカエシリウスとの対決で、拘束具で相手を捕まえてしまうというのはでき過ぎやろ。しかも、浮遊するマントにまで気に入られていっぱしの魔法使いの身なりになってるし。

あと、最後の時間を操作するのはこの手の映画では禁じ手やと思う。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのように最初から時間移動する前提で作られた話でもパラドックスの危険はあるのに、お手軽に時間を戻してしまうと当然のことながら、「なんで、エンシャント・ワンがやられたとこまで戻せへんの?」というような疑問が出てくる。

突っ込みたくなるところは色々あるが、そういうところも含めてマーベルらしい映画。特殊撮影はよくできていて初期のマーベル作品のような安っぽさはない。2Dの映画館で観たが、魔法で空間を歪めてビルが建ち並ぶ景色を曲げたり折りたたんだりするところは3Dで観たほうがよかったかもしれない。

娯楽作品としては楽しめるし、カンバーバッチも良かった。が、シリーズ化されるドクター・ストレンジ物に出ることがカンバーバッチの今後のキャリアにとって良かったのかなと疑問に思う。彼の才能を考えればこの種の映画は単発で十分で、アカデミー賞を取れるような作品での役柄に向かって欲しい気がする。
マーベルの映画はエンドクレジットが流れた後にちょっとした「おまけ」が付く。この映画では、なんとアベンジャーズのマイティ・ソーと寛いでいるシーンが付いていた。ということは、次回作ではアベンジャーズと交流するということか? ちょっと楽しみではある。

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