今日の映画 – きっと、いい日が待っている(Der kommer en dag)

きっと、いい日が待っているのポスター

映画レビュー

日本で公開されるのはめずらしいデンマーク映画。実話に基づいた映画で、舞台は1967年、コペンハーゲンの養護施設。登場人物は、母親を亡くして孤児になった13歳のエリックと10歳のエルマーの兄弟、養護施設の良い先生1名、校長を含む悪い先生その他全員。兄弟の無責任な叔父がおまけ。

兄弟が養護施設に連れてこられた時がちょうど食事の時間で、施設の子供たちの食器に入っているのがなにか白いドロっとした不気味なもので、このワンカットで収容者はろくな待遇を受けていないことが分かってしまう。映画の前半はしつけの名で行われる意味のない虐待が続く。

状況を変えそうな唯一の期待だった良い先生(ソフィー・グローベール)がダメダメ叔父が発端となった行き違いで学校を去ることになって、兄弟は期間満了で施設を出られるまで、ただ耐えて暮らすだけになってしまう。その予定が狂って兄ちゃんのエリックが切れたことで暴力を受け意識不明になってから、弟のエルマーの頑張るとこが見どころ。

映画をみていてイライラが募った頃に、エルマーが校長の愛車をボコボコにするところでうっぷんが晴れる。最後は校長も悪運が尽きて無事ハッピーエンドとなる。

出演者は映画初出演の兄弟に加え、施設に収容されている子供たちの熱演が光る。大人では校長役の(ラース・ミケルセン)は容貌がなんとなくロシアのプーチンに似ていると思ったが、テレビドラマ「ハウス・オブ・カード」でロシアの大統領を演っていた俳優だった。

ストーリーのどこまでが実話でどこが脚色されているのか分からないが、ラストで兄弟が施設を出るための書類を校長から獲得して、良い先生と3人で立ち去っていく。ここで兄弟は自分達が出られたことで校長以下を告発していないところがちょっと気になった。結局は、あとに残った子供たちが告発して正義は保たれることになるが、微妙な気がする。

自分自身が兄弟と同じ年代で、子供時代を振り返っても敗戦国だった日本でさえこういうひどい子ども虐待の話は記憶にない。デンマークは第2次世界対戦でひどい目にあったにせよ、今では福祉の行き届いた国と思っていたので、こういう事実があったのはイメージと相当ギャップ。最近観た映画は娯楽映画が続いていたので、たまにはこういうヨーロッパ映画のシリアス物も悪くない。

予告編

2017年に観た映画

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