今日の映画 – スパイダーマン スパイダーバース(Spider-Man: Into the Spider-Verse)

Spider-Man: Into the Spider-Verse

映画レビュー

スパイダーマンの実写版の映画は全て観ているが、この映画についてはアニメということで当初あまり観る気がしなかった。しかし、2019年のアカデミー賞で「長編アニメ映画賞」を受賞したので良く見てみると、声優のキャストに、ニコラス・ケイジ、クリス・パイン、マハーシャラ・アリなどが名を連ねているところから、相当気合が入っていると感じて観に行くことに。

物語は悪役のキングピンが加速器を使って異次元との扉を開いてしまうことでパラレルワールドで別々に存在していたスパイダーマンがこの世に集結する。一方で、この世の本家スパイダーマン/ピーター・パーカーはキングピンに殺されてしまって黒人の高校生マイルスがその後を継ぐという構図。

異次元からやってくるのは、中年になったピーター・パーカー、スパイダーウーマン、スパイダーマン・ノワール、ペニー・パーカー、スパイダー・ハムの5人。キングピンの仲間には、ドクター・オクトパス、ブラウラー、グリーン・ゴブリンなどのヴィランが加わる。スパイダーマンワールドを踏襲したスピンオフと言えるが、かなりシュールな設定。

3Dの立体的なアニメ、2Dの平面的なアニメ、コミックを組み合わせた独特の映像。今では実写版の映画でもコンピュータでモデリングしてテクスチャを貼り付けて動かすことで映像を作っている訳で、実写か3Dのアニメかの違いは貼り付けるテクスチャがリアルなのかアニメ風なのかの違いでしかない。ただ、実写にするとヒーローの動きはある程度は物理法則に従ったものでないと不自然になるし、人の顔が現実から外れすぎないなどの制約が出てくる。一方で、アニメと割り切ってしまえば、現実離れした色使いや非現実的な動きでも違和感無く見ることができる。

さらに、この映画では、主人公達が何かを察知したときなどに、頭の周りに「~~~」のような波線を描くというコミックの手法を取り入れたりしているのが斬新。

映画を観に行った日は体調がイマイチで前半は没入できなかったが、後半は引き込まれた。この映画の良いところはなんと言っても映像。夜の都市の光の具合や、最後の戦闘シーンの光が溢れるような映像は実写と違って人工的でありながら独特な美しさがある。一方、ストーリーは至って平凡。複数のスパイダーマンという奇抜な設定を活かせていないのが残念。

予告編

2019年に観た映画

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