映画レビュー
スパイダーマンの映画は、サム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の3部作のあとにリブートされてアンドリュー・ガーフィールド主演の「アメイジング・スパイダーマン」が2作撮られた。ここまではスパイダーマンの単独作品。スパイダーマンは原作はマーベル・コミックだが映画化権はソニーが持っているので映画製作もディズニー配下のマーベル・スタジオではなくソニー配下のコロンビア。その後、アメイジング・スパイダーマンの不振で方針転換したソニーがマーベル・スタジオと提携したことで、マーベル・スタジオ製作のアベンジャーズ・シリーズにスパイダーマンが参加するようになった。
スパイダーマンの単独作品もトム・ホランド主演で再度リブートされてコロンビアとマーベル・スタジオとの共同製作となり、「マーベル・シネマティック・ユニバース」に組み込まれる形となった。なので、ニック・フューリーなどマーベルのキャラクターが出演し、出番は無いもののキャプテン・マーベルなどの名前も出てくる。この映画は新シリーズでは「スパイダーマン:ホームカミング」に次ぐ2作目となる。
元々スパイダーマンとなるピーター・パーカーは学生なので、マーベルのスーパーヒーローの中では若手ではあるが、最初の3部作と続く2作の単独作品では若さゆえの失敗があっても単独で敵に立ち向かい勝利するという筋書きだったのが、アベンジャーズに参加するようになってアイアンマンの子分に成り下がったような雰囲気は拭えない。
この映画でも、修学旅行であちこちへ旅行するが自分がスーパーヒーローであることの自覚が今ひとつでお子様向けの展開で進むので特に前半は多少イライラさせられる。後半は一転して、悪役ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)との対決でミステリオが使う仮想現実(VR)+ドローンの視覚効果が良く出来ていてアクション場面が面白い。
ジェイク・ギレンホールはこの1作でやられてしまうヴィランに使うにはもったいない気もするが、この人がやるとヴィランとして一流を目指すがなりきれないヴィランの「情けなさ感」が自然に湧き出てくるので適役だったかなと思う。
マーベルとの提携により、マーベル由来の小ネタがいろいろと入ってくるので好きな人には面白いかもしれないが、学校モノの造りにしてコメディタッチを加えているのでお子様向けの感じがしてしまう。もう少し大人向けの方が良かったのではないだろうか?
ポストクレジットのおまけビデオでは、ニック・フューリーは実はスクラル人が化けていて、本物のニック・フューリーは別の所で何かをやろうとしているので、意味不明だが何か次へと繋がりそう。
予告編
2019年に観た映画
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