映画レビュー
DCコミック原作のスーパーヒーロー物。最初は観に行く予定ではなかったが、最近観たマーベルの「キャプテン・マーベル」と予期せぬ関連があることが分かったので映画館へ足を運んだ。観てみると、本格的なアクションとコメディが入り混じって結構面白かった。予告編やポスターはこの映画のコミカルな部分だけを見せているが、アメコミが常識となっているアメリカでは良いかもしれないが、殆どのひとが予備知識を持たない日本ではこの宣伝のやり方は失敗じゃないかと思う。
キャプテン・マーベルとの関係は、以下の通り。
- 1940年に「フォーセットコミックス」という出版社から発行されたコミックの主人公がキャプテン・マーベル。ビリー・バットソン少年が魔術師シャザムに選ばれ、「シャザム」という呪文を唱えると、6人分のスーパーパワーを持った大人のスーパーヒーローに変身する。
- DCコミックスから「スーパーマン」の盗作と訴えられ、売上が落ちたことで1950年代にキャプテン・マーベルは廃刊となる。
- その後、1970年代にDCコミックスがキャプテン・マーベルのキャラクターの使用権を獲得。
- ところが、その前にCDコミックスのライバル会社「マーベル・コミックス」が「マーベル」の商標を登録していたのでDCコミックスはその名前を使えず、キャラクター名を「シャザム」とした。
そういう訳で、奇しくも同じ時期にマーベル・コミックスの「キャプテン・マーベル」と元祖キャプテン・マーベルの「シャザム」が制作、公開されたという訳。これは観ざるを得んやろ。
前述のように思ったより良く出来ている映画やけど、感じた違和感はシャザムに変身する前の少年ビリーが子供の割には賢いのに、変身したシャザムがバカっぽすぎること。原作のコミックを読んでいないので、これがオリジナルなのか映画用に考えられたものか分からんけど・・・。 先代シャザムが後継者面接をしては候補をふるい落として、やっと見つけたビリーなのに変身したらアホになるのはどうしたものか。落差大きすぎ。
映画の終盤では、同じ養家の「兄弟」たちにパワーを分けて編隊物みたいになるのは日本の編隊物ドラマの影響かと思ったが、1940年代に既にアメコミで生まれているからあっちが元祖。日本が真似したのかもしれない。
予告編
2019年に観た映画
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