映画レビュー
ニュージャージーにあるパターソンという小さな町に住むバスの運転手パターソン(アダム・ドライバー)とその周りの人たちの1週間を描いた映画。
毎朝、目覚まし時計無しで目覚めて、ベッドから出て畳んでおいた制服に着替えて朝食。歩いて出勤していつも景気の悪そうな同僚とちょっと話してバスの運転勤務。仕事が終われば帰宅して食事、ブルドッグを連れて散歩がてら近所の酒場で軽く飲んで帰るという毎日。
バスの乗客、酒場のマスターや客、ちょっと変わった妻が絡むとはいえ、淡々とすぎる1週間を観るとなると、飽きてしまいそうではあるが、それを飽きさせずに見せてしまうのが監督ジム・ジャームッシュの力量やろか?
舞台も出演者もアメリカ人やけど、時間の流れというか雰囲気はヨーロッパ映画。ジム・ジャームッシュはアメリカ生まれのアメリカ人であるが、先祖はドイツ、アイルランド、チェコとかが混ざっているらしいので何か感性が違うのかも。
主演のアダム・ドライバーは再開したスター・ウォーズではちょっとイタい感じの俳優やったんで心配したけども、そつなくこなしていた。もっともこの役は、ちょっとのんびり系の役者なら誰でもできそうではあるが。
妻役のゴルシフテ・ファラハニはイラン出身の俳優。ちょっと天然のアブナイ系で観る側に心配させるが、意外としっかりしてる不思議な役柄。こういうところで視聴者を飽きさせないところは原作・脚本がよくできていると思う。
主人公が素人詩人で、仕事の合間に詩を書き溜めているし、最後には日本人の詩人役で永瀬正敏が妖しい英語で出てくるなど、全体を通じて詩がテーマになっているようではあったが、そのあたりがスッと入ってこなかったのは残念なところ。
予告編
2017年に観た映画
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