映画レビュー
ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンをリーダーとする犯罪アクション映画はオーシャンズ11が成功したので、続編のオーシャンズ12、オーシャンズ13まで作られて打ち止めということになっている。
そのオーシャンズ・シリーズが、今度は女性のみのメンバーでリブートされたというので観に行った。メンバーの数は少なめで、オーシャンズ8。オリジナルの11から13を観ていなかったが、 サンドラ・ブロック演じるリーダのデビー・オーシャンがダニーの妹だったこと、当のダニ-が死んだという話はなかったのに墓があったというくらいで、前シリーズと特段の関連性はない。
前三部作の監督のスティーブン・ソダーバーグはジョージ・クルーニーとの共同制作に廻り、監督はゲイリー・ロスへ譲った。犯罪物ではあるが、銃撃戦や血を流すシーンが無いという基本コンセプトは従来どおり。なので、制作資金をたっぷりつぎ込んだ”軽い”ドラマのイメージがついて回る気がする。映画を観てみると、多少の想定外のハプニングもあったものの、ほぼデビーが刑務所で練った計画通りに事がすすんで、ハラハラするシーンが少ないように感じた。8人のチームに対する、強力な悪役キャラが居なかったのもその一因か?
しかし、この映画は、筋書きうんぬんよりも、サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイの豪華共演を楽しんでいればよいのではないだろうか? 残りの5人は、ヘレナ・ボナム=カーターが良かったが、まあメインの3人に比べると脇役。
サンドラ・ブロックは冒頭の刑務所から仮出所した直後にサラッと万引きしてホテルに無賃宿泊するところから、メンバーを集めてリーダーとして振る舞うところは良い感じ。ケイト・ブランシェットも悪くないが、期待したより地味め。
メンバーが増えていくごとに人数を勘定していたが、最後近くまでいっても7人しかおらずに変だなと思っていたらアン・ハサウェイが最後に入って8人になるというオチ。彼女は強盗団の一味ではなく、ターゲット側でダイヤのネックレスを身につける女優役で、ちょっとお高く止まった嫌な感じで出てくるが、これは「レ・ミゼラブル」でアカデミーを受賞した頃に鼻持ちならない女優のレッテルを貼られかけていたのを逆手に取って、パロディ風に役作りをしていると見ればおもしろい。結局、アン・ハサウェイがおいしいところをしっかり掴んだという感じを受けた。
まだ、9と10が空いているので、続編が2作くらい作られるのだろうか?
予告編
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