今日の映画 – アベンジャーズ エンドゲーム(Avengers: Endgame)

Avengers: Endgame

映画レビュー

マーベルのスーパーヒーロが総出演する「アベンジャーズ」の第4作。この映画が集大成となるので182分の長尺。前作「インフィニティ・ウォー」で悪役サノスにええようにやられて消化不良で終わっていたが、この続編で決着する。

マーベルの箝口令がしっかりしていて公開前にストーリーが全く漏れてこなかったので色々な想像がネットを飛び交っていたが、個人的に興味があったのは、「指パッチンを手に入れたサノスをどうやって倒すか?」と「強すぎて他とのバランスが悪すぎるキャプテン・マーベルの使われ方」の2点。

まず、サノスについては映画が始まって早い段階でインフィニティ・ストーンを破壊したサノスが無抵抗でやられて「あれっ」と拍子抜けさせておいて、それで終わらせないところが良い。一方のキャプテン・マーベルは冒頭でのトニー・スターク救出で見せ場を作ってもらったが、ラストの皆が入り乱れての乱戦では実力の100分の1も出してないやんという感じ。

クレジットされている俳優だけでも30人を超えるので、登場人物の中でも誰だか分からないのが何人か居た。それは良しとしても、指パッチンでメンバーの半分死んだが、生き残ったアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホーク・アイは最初のアベンジャーズのメンバー。これにキャプテン・マーベルとガーディアン組の2人とアントマンという構成から見ると、初代アベンジャーズ偏重が見て取れる。ドクター・ストレンジやブラックパンサーなど後発組は取扱が軽くて気の毒。スパイダーマンは前作でも若造扱いやったけど、版権SONYのキャラなので継子扱いは仕方ないところ。

サノスにやられた世界を修復するためのタイム・トラベルで過去の人と出会ったり、盛りだくさん。ラストの総出演での戦闘シーンは賑やかで良い。真田広之がちょこっと出てきたり、おまけみたいなのも組み込まれている。ストーリーの組み立て上必要とは思うが、家族や仲間を失った喪失感に重きを置きすぎていたように感じた。もっと派手にバシバシやってくれても良かったけど。

アメコミ原作の映画に厳密な整合性を求めるべきではないとは思うが、突っ込みたくなるところもある。まずはやっぱりキャプテン・マーベル。自力で空を飛べて、宇宙空間にも行けるし、体当たりで宇宙船を破壊できるパワーを持っていたらサノスくらいは片手で捻れるはずやのに殆どサノスと対峙していない。代わりにサノスにやられた実績のあるアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーが3人がかりで戦うが、最初からキャプテン・マーベルを当てといたら楽勝やん。スーパーパワーが強力になればなるほど常人のホーク・アイなどとのバランスが悪くなるのは昔からやけど、キャプテン・マーベルを活かしきれなかった感が強い。

さらに、タイム・トラベル物にはパラドックスの問題がつきまとうのが悩ましいところ。映画では、過去に戻って歴史を変えるのではなく、インフィニティ・ストーンを使って「サノスにやられた後の世界」を変えるだけで、しかもストーンは昔の場所に戻すから問題ないという怪しい理屈がこねられるが、ストーンを取りに行く段階で過去を変えているし、そもそも過去からやってきたサノスをやっつけることは過去を変えることやと思うねんけどなぁ。

さらに、ラストで指パッチンしたアイアンマンが瀕死の重傷を負うけど、この時点ではストーンは自由に使える状態やねんから、指パッチンで直したらええのにと誰もが思ったんちゃうかな。ついでにブラック・ウィドウもおまけで生き返ら慕ったらええやん。

ツッコミどころはまだあるけど、まあこれくらいにしといたろか。

ほんで、次はX-Menのリブート?

予告編

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