今日の映画 – 20センチュリー・ウーマン(20th Century Women)

20th Century Women

映画レビュー

マイク・ミルズ監督の最新作。5年前に撮った「人生はビギナーズ」との対比で批評されていることが多いが、前作を見ていないのでこの映画が初めてのマイク・ミルズ作品。タイトルには「Women」となっているが、ポスターに並んで写っている5人のドラマ。まあ、息子を取り巻く3人の女性とおまけのおっさん1人とみれんことはないけど。

なんか監督の私小説のような映画で、この手の映画は好き嫌いでかなり評価が振れそうと思う。メインキャストは、アネット・ベニング演ずるシングルマザーの下宿の大家、55歳。その息子ジェイミー、15歳。エル・ファニング演ずるジェイミーの友達ジュリー、17歳くらい。グレタ・ガーウィグ演じる写真家のアビー、二十歳過ぎ。ヒッピーあがりの大工のおっさん、年齢不明。これらの人たちの日常の生活を淡々と撮っている感じ。

時代は1970年代終わりで、パンクロックやフェミニズムとか当時のアメリカの世相に詳しければ違った見方があったかもしれない。母親のキャラクターは、当時としては先進的な考えの持ち主と思われるが、それでもフェミニズムの話には抵抗感があったりとか微妙なところを狙っているような気がするが、残念ながら良く分からない。アネット・ベニングの配役と演技は良いと思うし、歳の割には行動が若々しいのも良いが、息子や娘の年代とも言える下宿人とナイトクラブへ出かけるのは少々イタイのではないか?

映画の中では「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」が何度か流れる。この曲が有名になったのは1942年製作の映画「カサブランカ」のテーマ曲として使われたからであるが、逆算すると1942年に母親のドロシーは18歳だったのでリアルタイムで「カサブランカ」を観ていたかもしれないという設定。それなら、母親を中央に据えて「20th Century Woman」でもよかったんちゃうかな?

予告編

2017年に観た映画

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