WiFi6を使ったインターネット環境の再構築

WiFi環境構築1年後の考察

昨年に引っ越した新居のWiFi環境の構築は、過去のブログ「WiFi6を使ったインターネット環境」に記したとおり。

住居はマンション一区分所有区画だけど、前回苦労したところは、ルーターからの有線配線が一部の部屋にしか行っていなくて、間の悪いことにPCなどの情報機器を最も多く使う部屋に配線が来ていなかったこと。それをWiFi6のルーターAX50と中継機RE450をブリッジで使うことでなんとか解決したこと。

その後、特に問題なく使えているが、次のようなことが気になってきた。

  • 家の中で、ルータを置いてあるシューズクローゼットから最も遠い部屋(リビング)の奥では電波がやや弱い。
  • eo光のルータのWiFi(WiFi5)、AX50のWiFi(WiFi6)それぞれが2.5GHzと5GHzのSSIDを持つので、SSIDだらけ。各部屋のWiFi機器をどこに接続するかとかを考えるのが鬱陶しい。

じゃあ、いっそのことメッシュにしてしまおうかと考えたが、AX50はTP-Linkが提供しているOne-Meshをサポートしておらず、今後のファームウェアでの対応の見込みもなさそうなことが分かった。

Mesh WiFi機器の選定

近年、家の中のネットワーク機器はTP-Linkのものが増えてきて、AX50、RE450もTP-Linkの製品。特に思い入れがあるわけではないが、今まで使ってきたものは、いずれもコストパフォーマンスがよく、故障したことが(今のところ)ない。設定用のスマートフォンのアプリがよくできていて使いやすいということもある。

なので、あまり迷うこともなくTP-LinkのDeco X60に決定。X60はデュアルバンドの製品で、ハイエンドのトライバンドの製品に比べるとスペックは劣るが、機器間の通信を無線ではなく有線で行えば、2つのバンドを機器間通信で使わなくて済むので十分かなという判断。2台あれば十分なので2台セットを購入。

Deco X60

機器構成をどうするか

手持ちの機器の中でルーターとして機能できるのは、eo光からレンタルしている現行ルーターRT-100、ブリッジの親機として使っているAX50、そして今回購入したDeco X60。

新しいネットワークを考えるにあたって、譲れない要件は、

  • eo光のルータ(eo RT-100)は、ルータとして使わなくてもよいが、ひかり電話の機能は必須。このためには、eo RT-100を他のルータの2次側ではなく、eoからの引き込み線に直接接続する必要がある。
  • AX50~RE450のWiFi6ブリッジによる環境は維持する。
  • それ以外のWiFi環境はメッシュによる統合したSSIDで使えるようにする。
  • ルータ機能を持たせるのは1台のみで、家中の全てのWiFi環境と有線LAN環境は分離されることなく相互接続可能。
  • IPV6が使えること。

といったところ。

当初の考え

RT-100にはひかり電話機能のみを担当させ、ルーター機能はAX50に移管、RE450とのブリッジは現行のままとし、新しくDeco X60 2台をアクセスポイントとしてAX50の下にぶら下げるというもの。

Plan A

RT-100の光電話機能を使うためには、他のルータの2次側ではダメで、eo光からの引き込みに直接接続する必要がある。そのためにギガビットハブを用意し、RT-100とAX50を並列にすることを考えた。

eo光でIPV6を使うためには

ところが、IPV6を使うには上記の構成では問題があることが判明。

多くのプロバイダのIPV6の接続方式は「IPoE」。一方、eo光の方式は「PPPoEによるデュアルスタック方式」で、この方式をサポートしているルータは多くないようだ。というか、eo光が提供するRT-100のようなルータ以外では見つけることができなかった。

ということはIPV6を使うためには、RT-100をルータとして使い続ける必要があるということ。そうなると、構成はこんな感じ。

Config 2

RT-100、AX50、RE450の関係は従来どおり。新しくDeco X60をリビングルームと寝室に設置し、それぞれRT-100と有線接続する構成。

これにより、RT-100のWiFi機能は停止、AX50のWiFi機能はRE450とのブリッジ専用、新しく追加するX60 2台によるMesh WiFiで家の中全体をカバーすることになる。

Deco X60のセットアップ

購入したのはX60の2台セット。

X60パッキング

円筒形の本体にネットワークポートが2つと電源コネクターがあるだけのシンプルな構造。

背面

付属品は、電源コードが2セット、イーサネットケーブルが1つ、Quick Installation Guideのみ。電源コードはプラグ部分にACアダプターが内蔵されているが、ごろんとしたタイプではなく細長いので収まりはよさそう。

付属品

セットアップは非常に簡単

設置とセットアップは思っていた以上に簡単。X60をルーターとして使わないので、設置はRT-100から有線で配線済のリビングと寝室に置いて電源とネットワークケーブルを繋ぐだけ。

セットアップもTP-LinkのDeco用アプリをダウンロードして、その指示に従うだけで簡単に完了してしまった。

Decoアプリ

ルーターモードからブリッジモードへの切り替えで問題発生

アプリを使ったセットアップは簡単ですぐに使えるようになったが、この状態ではX60はルーターモード。RT-100の下で2段重ねのルータになっている。

一応この状態でも動いていたのだが、本来の形にするためX60をブリッジモードに切り替えた際に問題が起こった。それまで問題なく使えていたRT-100の2次側の有線・無線LANが全く使えなくなった。この問題はX60をネットワークから切り離すことで解消したのでX60が問題の原因らしい。

2台のDeco X60間の接続方法としては無線を使う以外に有線LANケーブルで繋ぐことができる(Ethernet Backhaul)。こうすることでDeco間の通信が安定するだけでなく、Deco間の通信にWiFiのバンドを使わないので、貴重なバンドをクライアント用に使うことができ、全体のパフォーマンスが向上するはず。今回の構成も当然Ethernet Backhaulを使うつもりだった。

問題が起こって、改めてTP-Link のWebサイトを見てみると、Deco間の接続は「Decoから分岐させるように接続ください」とある。これを読まずに2台のDeco X60をRT-100のポートに有線接続したのが誤りだったという訳。不思議なことにルーターモードではこの構成で動いていたのだが・・・。

ネットワーク構成を変更

正しい構成にするためにはX60間をケーブルで直結しなければならないが、リビングと寝室の間には配線が無い。仕方なく、寝室のX60をシューズクローゼットに移動してRT-100に直結し、そのX60の2つ目のポートからのケーブルをリビングのX60に接続するという変更を行った。

最終構成

2台のX60はブリッジモードで動作していて、以前の構成で起こっていた問題は解決した。

初期設定では残念なパフォーマンス

変更前の構成でのGoogleインターネットスピードテストの数値(下り)は、

  • RT-100に有線で直結したPC: 700~800Mbps
  • RE450に接続したPC:300~400Mbps

ところが変更後の構成では、X60の影響を受けて、

  • RE450に接続したPC:数十~200Mbps

という残念な結果になった。この速度しか出ないなら、AX50を取り除いてX60とRE450でブリッジにした方がまだましなくらい。

5GHz帯のチャネルの使用状況を確認する

速度低下の原因は2台のWiFi6製品を同時に近くで使うことによる干渉と考えられるのでWiFi Analyserで5GHz帯を調べたのが下図。機器別に使っているチャネルは、以下のように「44」が重複していて、これが速度低下の原因になっていると思われる。

  • Deco X60(A/AC/AX): 44(42)、48(42)
  • AX50(A/AC/AX): 44(42)
  • RT-100(A/AC):44(42) ➾ 停止する

アナライザー1

AX50の使用チャネルを変更する

5GHz帯のWiFiのチャネルは、大きく以下の3つに区分されている。

  • W52(5150~5250MHz、36~48ch)
  • W53(5250~5350MHz、52~64ch)
  • W56(5470~5725MHz、100~140ch)

このうち、W53とW56はWiFiだけでなく、レーダーなどにも使われているそうで、その干渉を受けてしまう恐れがあるとのこと。それもあって、W52が使われて混み合っている。逆に、W53とW56は使う人がほとんど居ないので空いている。

TP-LinkのWebサイトには、「Wi-Fi 6対応ルーターやArcher C7/C9/A10など一部機種はW53及びW56帯に対応していますが、これらのチャンネルに固定するとレーダーの干渉が発生すると自動的に36チャンネルに移動しそのまま固定されるのでご留意下さい。」とう記述がある。それを承知の上でW56を使ってみる。(W53は気象用のレーダーに使われているというのでW56を選択。)

さて、現状ではわが家のRT-100、AX50、Deco X60は全てW52を使っていて使用するチャネルが重なっている。RT-100のWiFiはオフにするのでAX50とDeco X60とのチャネル重複を会費しなければらなない。調べてみるとDeco X60はインテリジェントに接続ルートなどを変更するためか、マニュアル設定でチャネルを変更することはできないようだ。一方、AX50はブラウザからの詳細設定で使用チャネルの設定が可能。なのでAX50の設定を変更して別のチャネルに逃がすことにする。

AX50のワイヤレスの設定項目で変更したのは、「モード」「チャンネル幅」、「チャンネル」の3箇所。AX50はブリッジとしてのみ使うので、モードを802.11acのみとし、チャンネルはW56の先頭の100chから、チャンネル幅は最大の160MHzにした。こうすることで、AX50のSSIDはWiFi6非対応の機器からは見えなくなるので、AX50~RE450間はいわば専用線のように独立した風になる。

AX50 Setup

チャネル変更で速度が改善

変更後の各チャネルの評価はこのようになった。AX50とRE450間の通信をCH100以降に移すことによって、CH36~48の評価は赤から黄色になった。CH100以降は赤になっているが、このチャネルを使っているのはAX50とRE450だけ。

5GHz帯に関しては、今のところ近隣からの電波の侵入はほとんどなく、W52をDeco X60が、W56をAX50とRE450が独占して使用している状況。

アナライザー2

速度が低下したAX50~RE450間のブリッジも、RE450に接続したPCで測定してコンスタントに400Mbpsを超えているので元の速度よりも改善されている。この構成でしばらく使ってみる。

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