予約の取りにくい店らしいが、神戸から来た甥っ子夫婦が予約してくれて4人で訪問。
店に看板はなく、入り口のガラス戸になすび亭の文字と透けて見えるなすびの色紙。 場所は恵比寿の裏通りの分かりにくいところで、うっかりすると通りすぎてしまいそう。
店に入ると4人がけのテーブル席へ案内される。 箸置きは、当然なすび。
まずはビール。 サッポロの白穂乃香があったので注文。 初めて飲んだが、無濾過で白く濁っていてヒューガルデンのホワイトビールを連想させるが、泡がきめ細やかではるかに繊細、和食に合うビール。
お願いしたのは6,300円のおまかせコース。 最初の品は、鯖ときのこと菜っ葉の煮物。 だしが効いていてうまい。
お酒は純米酒が4~5種類と純米吟醸がいくつか。 世間では吟醸、大吟醸がもてはやされているが、アンチ吟醸酒派としてはうれしいところ。 純米酒を冷でいただく。
二品目は焼いたカマスと天王寺蕪の椀物。
造りは帆立貝、鯛、鰤の3点。 どれも角が立った切り口。 特に鯛は〆め方がうまいのか旨味がすばらしい。 手前が普通の醤油で、奥が鰤のアラを炊いて醤油と合わせた鰤醤油。
次は、牡蠣の天ぷらと里芋を揚げたものに海苔のあんをかけたもの。
焼き物は鰆。 かなり厚い身を遠火の炭火で焼いていて、外は香ばしく、中はジューシー。
ごはんは土鍋で炊いたさくらえびご飯。 三つ葉が良い香り。味噌汁と香の物でいただきます。
最後のデザートはりんごのブラマンジェ。 これは割と普通。
奥の調理場で仕事している吉岡さん。帰るときには見送りに出てきてくれて、有名店なのに気さくな感じ。
久しぶりに、ちゃんとした和食を食べて満足。 特に珍しい食材を使っているわけではないのにきちんと手間をかけて作った料理は美味しい、特にだしの旨味が際立っていた。
また、造り以外の料理は、土鍋を含めて全て蓋付きの器で供されていたのは、蓋を取ったときの香りの広がりを計算してのことか。
この店は、テーブル席の他に、奥に厨房を見渡せるゆったりとしたカウンター席がある。 少人数ならカウンター席がお勧め。