おおまかな作り方
インターネットで検索すればロースハムの作り方のレシピがいくつもヒットする。基本的に塩漬けにしたロースブロックを茹でるだけなのだが、いろいろと見て回ったレシピは微妙に違っている。なのでそれらを参考にしながらマイレシピを記録として残しておく。
低温調理器を使う。使わないやり方もあるが、茹でる間の温度管理が面倒というかできそうにないので文明の利器を利用する。
茹で方はジップロックなどに肉を封じてそれを茹でる方法と、肉を茹で汁に直接漬けて茹でる方法があるようだが、低温調理器を使うのでジップロック方式で行く。
ジップロックを使わなければ茹でている間に肉から塩が抜けるが、ジップロックを使うと茹でている間も塩が入っていくので塩は少なめがよさそう。それに合わせて砂糖も調整。
ジップロックから空気を抜くためには肉の周りに液体が必要だが、水を入れたくないので、酒(白ワインなど)かオリーブオイルが良さそう。今回はオリーブオイルでやってみる。
材料
- 豚肉ロースブロック – 今回は755g、肉の厚み5cm
- 塩(肉の重さの1.5%)- 約11g
- 砂糖(塩の半分) – 約5g
- ローリエ – 2枚
- 黒胡椒 – 1g程度
- エキストラヴァージンオリーブオイル – 適量
作り方
塩、砂糖、黒胡椒を混ぜたものをロースブロック全体にまぶす。
これをローリエとともにジップロックに入れ、全体に回る程度のオリーブオイルを入れて水を満たしたボウルに漬けて空気を抜く。この状態で冷蔵庫で一晩寝かせる。
ジップロックのままの豚肉を大きめの鍋に入れ、水を張ってあとは低温調理器にまかせる。市販のロースハムのように断面を丸くするには整形してタコ糸で固定することが必要になるが、めんどうだし、厚みが増すと調理時間が長くなるのでやらない。
低温調理器といえばBONIQが有名だが、持っているのはTHANKOという会社のSSHORSLC。聞いたことない会社だが、なにかの雑誌のレビューで優秀だったことと、コピー商品なら怪しい中国製ではなく日本のメーカーのものが良いかなくらいで買ったもの。低温調理器に必要な機能は温度管理、撹拌、タイマーだけなので、基本機能さえちゃんとしていれば本家でなくても良いと思ってる。
THANKOの調理器の良いところは、水に漬けるヒーターの金属カバーが取り外せてヒーターやファンを直接洗うことができること。基本的に食材はジップロックなどの袋に入れて調理するので調理器は汚れないが、袋から漏れてしまった場合などは汚れが内部に入ってしまうので、カバーが取り外せることは必須。
温度と時間をどう設定するかもレシピによってまちまち。70度で1~1.5時間というのもあれば、60~70度という大雑把なものもある。加熱温度と時間は大腸菌やボツリヌス菌などを確実に殺菌するために大事なので慎重にいきたい。参考になるのはBONIQのサイトにある加熱時間基準表。これによると、厚さ50mmの豚肉は、60℃ – 5:30、61℃ – 4:50、62℃ – 4:20、63℃ – 4:00、64℃ – 3:55、65℃ – 3:50、66℃ – 3:45、67℃ – 3:40、68℃ – 3:40、69℃ – 3:40、70℃ – 3:35 となっている。これらの数値は他のレシピの数値に比べて時間が長めで安全サイドな気がするが、安全第一で65℃ – 3:50に設定する。あとは機械に任せて時間がくるまで放置。
予定時間が経過したらジップロックごと冷水で冷やしてから取り出す。キッチンペーパーで水分をぬぐい、ラップして冷蔵庫で保存する。
薄くスライスするとこんな感じ。味、食感ともに市販のロースハムと比べても遜色ない。断面が丸くないのも、こうしてみればロース肉の形そのままだし、手作り感があって良いと思う。
薄切りをサンドイッチの具材にしたり、サラダに使ってみたり、厚切りにしてハムステーキにするなど、応用はいろいろ考えられる。特別な材料は要らないし、僅か2日で本格ロースハムができてしまうので満足度は高い。