Day 2の内容
- リュブリャナ~ロビニ、バス移動
- ロビニ市内観光(#1)
リュブリャナからロビニへ
バスのチケットは日本で予約済。昨日空港からのバスが到着したリュブリャナ駅前のバスターミナルを7:10に出発し、ロビニへの到着予定時刻は11:40。宿泊していたホテルには朝食が含まれていたが、チェックアウトが早いので断念。代わりに、バスターミナルへ行く途中にある昨夜のうちに見つけておいたパン屋でパンと水を調達した。
早朝のバスターミナル
夜のうちに降った雨は上がっているが、空は曇。長距離バスだけでなく通常の路線バスも停まるので、出勤する人たちもバスを待っている。
バスターミナルの建物の中。チケット売り場、売店、ATMマシンの他に待合用の椅子が並んだコーナあり。トイレは建物の外の階段を降りた地下にあるが有料。チケット売り場で50セントを払ってトークンを買えば入れる仕組み。
長距離バスの出発状況はモニタに表示される。7:10出発のバスなので正しいバスの見分けは付くだろうと高を括っていたが、モニターには5本の7:10発のバスがあり、いずれにも目的地ロビニ(Rovinj)の文字が無い。これではどれに乗れば良いのか分からないのでチケット売り場で購入済のeチケットの控えを見せてプラットフォーム番号を尋ねると#5と言われた。だが、#5に来るバスの行き先「Padova」はイタリアのベネチアの少し先にある町で方向がぜんぜん違う。本当に$5かと聞いてもそうだというだけなので引き下がるが、かなり不安。バスの運転手に確認するしかない。
#5プラットフォームにバス到着。行き先表示を見るとクロアチアの首都ザグレブから2時間掛けてリュブリャナに来て、トリエステなどを経由してPadovaへ行くバスのようだ。運転手にeチケットの控えを見せてロビニへ行くかと聞いたら行くという。どうやらこのバスで間違いないようだ。しかに、イマイチ腑に落ちない。
大きな荷物が2つあるのでトランクへ入れる。この後バス旅行を続けて分かったのは、トランクへ荷物を預けるのが無料のバス会社と有料のバス会社があること。今回は無料だったが、クロアチア国内移動で主に使ったバス会社は有料で、1個あたり6~10クーナ(105~180円)くらいの料金が掛かった。
リュブリャナ駅
バスを待っている時間があったので、隣にある鉄道の駅を見に行った。
正面入り口を入ったところのホール。床には街のシンボルのドラゴンがデザインされていた。
ホールを抜けて奥へと進むとプラットフォームに出る。日本と違って改札がない。停車中の電車の車体にはしっかりと落書きが。右側の電車はちょうど駅へと入ってきたところ。その後、続々と通勤者風の人たちが降りてきたので近郊の住宅地からの通勤電車かもしれない。ちなみにプラットフォームの端にはトイレが有り、無料で使える。
バスの旅
我々が乗ったバスは早朝ということもあって貸し切り状態。
バスは町から出て、田園地域をひた走る。
今の状況を図解すると次のようになる。移動中のバスは地図の右端のクロアチアのザグレブからスロベニアのリュブリャナへやってきて、ここで乗り込んだ。現在バスは海岸の町トリエステへと向かっているがトリエステはイタリアの町なので国境を越える。
その後、バスの行き先表示ではイタリア国内をメストレ(ベネチアの陸側の町)を経由してパドバへ至るオレンジ色のルートを示しているが、これでは困る。我々の目的地は中央下にあるクロアチアのロビニなので、トリエスタから国境を越えてスロベニアに戻り、さらに国境を越えてクロアチアへ行ってもらわねばならない。運転手は行くと行っているが、さてどうなることやら。
スロベニア~イタリア国境通過
スロベニア、イタリア共にEU加盟国でシェンゲン協定を締結しているので基本、国境はフリーパス。ゲートのようなものもないが、バスは一旦停止して警官がバスの中に入ってきて一通り眺めて帰っていった。パスポートのチェックはなし。
写真に写っているのはイタリアの軍の車両とパトカー。
トリエステ市内
イタリアにもトリエステにも訪問予定はなかったが、バスが通るので即席市内観光。内陸国のオーストリア帝国が支配して海への出口として使ったという歴史のある町。そう言われてみると、イタリアの海岸部の都市の陽気さではなく、どっしりとしてちょっと暗い中央ヨーロッパの雰囲気がする。天気が曇のせいかもしれないが。
バスの中からの観光と写真撮影だったが、イタリア統一広場の横を通ったので写真を一枚。
イタリア~スロベニア国境通過
イタリアに入国してから時間にして約30分、走行距離も30km足らずで再び国境を越えてスロベニアに戻る。今度は停車することもなく知らないうちに国境通過していた。
コペル郊外で休憩
スロベニアがアドリア海に持つ海岸線は直線で25km程度。コペルはそこにある港湾都市であるが、バスはコペル市内へは入らず、郊外にあるショッピングモールで休憩
ここでおどろいたことに、いつの間にかバスの行き先表示が変えられていた。出発点がトリエステになっていて最終目的地もザグレブになっている。パドバ行きだと思って乗った人は、さっきのトリエステで乗り換えなければならなかったということか? とりあえずロビニへ行くことが再確認できたので良しとしよう。
スロベニア~クロアチア国境通過
走り出してすぐにクロアチアとの国境に到達。クロアチアもEUに加盟しているがシェンゲン協定を締結していないので、パスポートチェックがあった。係員がバスに乗り込んでID/パスポートを集めて持っていき、後で返される方式。
ロビニへ到着
国境通過後、バスはポレチという町に立ち寄ってからロビニに到着。バスステーションへ入る直前にあったカフェでエスプレッソのカップを前にタバコを吸う人。クロアチアはイタリアとは民族も文化も異なるが、地理的に近いので影響を受けている。それが普段の生活の一部として溶け込んでいるように感じられる。
予定ではロビニに一泊し、明日次の町プーラへ行く前に先ほど通過してきたポレチに戻って半日過ごす予定。ポレチ往復のバスのチケットは日本から買えなかったので時刻表の確認とチケットの購入のためにチケット売り場へ行く。バスの時刻は確認できたが短距離のチケットは当日販売のみとのこと。
ロビニの主要スポットの位置関係は下の通り。旧市街は海へ突き出た卵型の半島の中。形から想像できるように、ここは元々島だったところ。市街が広がって島から溢れて陸地に広がったので、その間を埋め立てて陸続きにしたという歴史がある。その島の入り口だったところにあるのがバルビ門。島の中央の丘の上に建てられたのが聖エウフェミャ教会。
旧市街の中には大きなホテルはないので、今夜泊まるために予約したのは旅行者向けのアパート。バスステーションは旧市街の外にあるがアパートまでの距離は歩いて5分程度と遠くない。急ぐこともないのでバスステーションから海の方へ出て、海岸沿いに旧市街へと向かった。海岸沿いの道をマリーナのの方へと折れると目の前に旧市街の景色が広がる。
Resdence Porta Antica – ロビニのアパート
ロビニで泊まったアパート(Resdence Porta Antica)は写真の真ん中の建物。1階は同名のレストランとなっている。
今回の旅行ではいくつものアパートを利用したが、アパートといっても部屋があるだけで鍵を受け取って使うところもあれば、フロントがあってスタッフが居るところもある。このアパートはフロントがあるが、スタッフは夜は不在、午後にも2時間ほど昼休みがあるので、事前に到着時刻を知らせておく必要あり。フロントは建物の左側路地を入ったところ。
部屋は2階で、Studio式のワンルーム。広くはないが、日本のビジネスホテルよりは快適。
小さなキッチン付き。窓の下に付いているのは暖房器具。大理石の板を電気で温めて熱を輻射させる仕組み、同じものが洗面所にもあった。幸いこれを使わずに済んだが、石造りの家の冬は冷え込むのかも知れない。
ロビニ観光
La Puntulinaでランチ
ちょうど昼時だったのでアパートから半島の先の方へ行ったところにあるレストランで食事。まだオフ・シーズンだったので予約無しで入れた。
ワインを頼むとおつまみが付いてきた。旅行中はどこでも地元のワインをグラスで注文していたが一杯あたり200円~500円程度、いずれもおいしい。
食べたのは、トマトソースとシーフードの手打ちパスタ。
そして、ラビオリのトリュフ掛け。ロビニが位置するイストラ半島はトリュフの産地で、今はシーズンではないがトリュフを使った料理がウリの地域。昨日リュブリャナで食べたトリュフソースのステーキと比べて、この一皿の香りは別物のように鮮やか。
この店の料理はいずれもおいしかった。価格はやや高めだが、ランチだと気軽に利用できると思う。
聖エウフェミヤ教会
元は小島だったロビニの旧市街は中心が小高い丘になっている。海岸から丘の上に向かって道を上っていくと教会のファサードと鐘楼が見えてきた。
教会の名になっているエウフェミャという女性は3世紀から4世紀にかけて今のトルコにいた人で、当時はローマ帝国がキリスト教を禁止していた時代だったので迫害され、拷問の末円形競技場でライオンに噛み殺されて殉教したという聖者。ライオンに殺されるだけで聖者になれる訳ではなくて、噛み殺したライオンがその後うろたえてエウフェミャを食べなかったので聖者となったらしい。たまたまライオンがお腹いっぱいだったのかもしれないが。
そのトルコ生まれでトルコに埋葬されていた聖者エウフェミャの遺体が何らかの都合で移される途中に船がロビニ沖で難破して、船から移された棺がこの教会に安置されているので教会の名前も今のようになったということ。
バロック建築の教会の外観はシンプル。脇に立つ鐘楼はベネチアのサンマルコ広場に立つ鐘楼を模したもの。
教会の中に入ってみると、石造りの柱が並ぶかっしりとした造り。意外に壁や天井の装飾がすくなく質素な感じ。石棺が正面と左の奥にあったと記憶、だがどちらがエウフェミャの棺か確認しなかった。有料で鐘楼にも登ることができたが元気がなくて割愛。
旧市街街歩き
旧市街の教会から東側は細い道が迷路のように入り組んでいる。500年以上に渡ってベネチア共和国の領土として支配下にあったのでその影響を色濃く残している。
写真だけ見ればイタリアの街という風景。道路標識の文字はクロアチア語とイタリア語が併記されていた。
バルビ門へ行ってみたところ、残念ながら補修工事中で見ることができず。この覆いの下に石造りのアーチとベネチアの羽根付きライオンのレリーフがあるはず・・・
バルビ門から旧市街へと入ったところにある井戸のある小広場。
バルビ門の外側にあるチトー広場。
旧市街の外からのビューポイント
旧市街北側の突堤から見た景色。アパートの人にここからの景色がベスト・アングルだと教えてもらっていたところ。天気が今ひとつで曇っていたのが残念。
朝に来たときと同じ南東側のハーバーからの風景。午後には空も晴れて光の具合も良い感じ。
同じく南東側から見た夕方の景色。
Balbi Restaurantでディナー
バルビ門から旧市街へと入った先にあるその名もBalbi Restaurant。評判が良いようなので行ってみた。ロビニのどこのレストランでも客の入りはまばら、来月からのハイシーズンに備えて準備万端だが客が来なくて手持ち無沙汰という感じ。このレストランも先客は二組くらいで予約不要。しかし人気はあるようで、夜が更けると客は増えてきていた。
旅行中、レストラン、パン屋、いろいろなところのパンを食べたが全般的においしい。ワインもいうことなし。
普通のグリーンサラダ。トマトの味が濃い。
イカ、エビ、小魚のフリッター。衣が薄くて、カラッと揚げられていて、今まで食べたフリッターの中でこれが最高。もう一度食べたい。
スカンピ(手長エビ)のリゾット+トリュフ。トリュフのリゾットを食べたかったがメニューになし。ウエイトレスにダメ元でトリュフのリゾットができないか聞いてみるとキッチンに相談に行ってくれた。スカンピのリゾットにトリュフのパウダーを掛けることはできるということだったので頼んだのがこれ。うまい。
レストランのテラス席は夜でも暖房が要らないくらいの気候で快適。店の前の小さな広場もいい感じ。