今日の映画 – ラブ＆マーシー　終わらないメロディー（Love & Mercy）

昨年見たブライアン・ウィルソンのドキュメンタリー映画は映画としての出来栄えは今ひとつやったけど、ビーチボーイズのイメージが変わったという意味ではええ映画。そもそも「ザ・ビーチ・ボーイズ」ってその名前からして軽すぎて、ビートルズなんかと比べて一段下というイメージを昔から持ってたけど、少なくともブライアン・ウィルソンは高い音楽性を追求した天才の一人ということを改めて認識した。 今度の映画はそのブライアン・ウィルソンの伝記映画。

映画はブライアン・ウィルソンのデビュー直後の人気絶頂の時から精神的に参って堕ちていく若い時代と中年になって悪徳後見人の監督下にある時代の２つを平行して見せていく。

役者は中年時代がジョン・キューザック。ベテランらしく演じているのは悪くないけど、出色は若い時代を演じたポール・ダノ。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」とか「プリズナーズ」で観てはいたけど、あまり印象に残ってない俳優。ところが、この映画では熱演していてドキュメンタリーの映像で残っている本人の若いころに動作振舞いがかなり似てる。俳優業とは別にバンドのギターを担当しているというので音楽の素養もあるらしい。

ただ、映画のストーリーとしては既に知られている若いころの成功と挫折よりも中年になってから悪徳医師に後見人としてやられっぱなしの環境から、たまたま知り合ったカー・ディーラーの女社員（後で結婚するメリンダ）に助けられて自立を取り戻すところの方が面白い。悪徳医師の不正の証拠が簡単に手に入るとこなんか相当簡略化されてると思うけど。

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