今年のアカデミー賞で3部門(助演男優、録音、編集)受賞。バードマンが最多4部門(作品、監督、脚本、撮影)受賞と宣伝しているのに対して、数の上ではそれに迫る。受賞内容は地味やけど。
映画を観た感想は、「J・K・シモンズの映画やなぁ」というもの。主演のマイルス・テラーは若いジャズ・ドラマー役をよくやってるけど、仮に違う俳優がこの役を演ったとしても同じような映画は撮れたと思う。
一方、J・K・シモンズ演じる音楽学校の鬼教師の役は他の俳優に置き換えることが想像できないくらいハマってる。ベテランの脇役で主演作品はないし、この映画でも助演ということになってるけど、存在感は主演といっても良いくらい。成功への欲望と音楽への情熱がドロドロの混じったような強烈な個性の役を熱演して、アカデミー賞受賞も当然と思わせる。
監督のデイミアン・チャゼルはこの映画が長編デビューという新鋭。サンダンス映画祭でグランプリ獲得というから典型的な低予算映画。出演俳優にも金を掛けていないが脚本とJ・K・シモンズとの絶妙な組み合わせで見応えのある映画になっている。
原題の「Whiplash」は同名の曲が映画で使われているが、辞書によると「鞭打ち」。鬼教師が生徒にプレッシャーを掛け続ける教育スタイルと重なるところがあるが、邦題の「セッション」というのは平凡で今ひとつ。
Trailer
番号 | 邦題 | 原題 | 監督 | 評価 |
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23 | セッション | Whiplash | Damien Chazelle | 4.0 |
22 | リトル・ダンサー | Billy Elliot | Stephen Daldry | 3.5 |
21 | パレードへようこそ | Pride | Matthew Warchus | 3.5 |
20 | ディオールと私 | Dior and I | Frederic Tcheng | 3.0 |
19 | JIMI: 栄光への軌跡 | Jimi: All Is by My Side | John Ridley | 4.0 |
18 | バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) | Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) | Alejandro Gonzalez Inarritu | 4.0 |
17 | インド・オブ・ザ・デッド | Go Goa Gone | Raj Nidimoru, Krishna D.K. | 3.5 |
16 | 女神は二度微笑む | Kahaani | Sujoy Ghosh | 4.0 |
15 | パリよ、永遠に | Diplomatie | Volker Schlondorff | 3.0 |
14 | 博士と彼女のセオリー | The Theory of Everything | James Marsh | 3.5 |
13 | イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 | The Imitation Game | Morten Tyldum | 4.5 |
12 | 妻への家路 | 帰来 | 張芸謀 | 4.0 |
11 | シェフ 三ツ星フードトラック始めました | Chef | Jon Favreau | 3.5 |
10 | フォックスキャッチャー | Foxcatcher | Bennett Miller | 3.5 |
9 | アメリカン・スナイパー | American Sniper | Clint Eastwood | 4.0 |
8 | おみおくりの作法 | Still Life | Uberto Pasolini | 3.0 |
7 | エクソダス 神と王 | Exodus: Gods and Kings | Ridley Scott | 3.5 |
6 | ドラフト・デイ | Draft Day | Ivan Reitman | 2.5 |
5 | 今日の映画 – 特捜部Q 檻の中の女 | Kvinden i buret | Mikkel Norgaard | 3.0 |
4 | KANO 1931海の向こうの甲子園 | KANO | 馬志翔 | 3.5 |
3 | ジミー、野をかける伝説 | Jimmy’s Hall | Ken Loach | 3.5 |
2 | シン・シティ 復讐の女神 | Sin City: A Dame to Kill For | Robert Rodriguez, Frank Miller | 3.5 |
1 | 毛皮のヴィーナス | Venus in Fur | Roman Polanski | 4.0 |