ボビー・フィッシャーという実在のチェス・プレイヤーの伝記映画。演ずるのはトビー・マグワイア。
チェス・プレイヤーの映画ではあるが、対局の駒の動きを見せるようなシーンはないのでチェスのルールを知らなくても困らない。まあ、対極の詳細を見せても素人には分からんやろうしその必要は無いと思うけど、大会での勝ち負けを決めるルール、特に負けないために引き分けを狙うようなところが今ひとつ理解しにくかったので説明が会っても良いと思う。
伝記映画ということもあって、話は淡々と進む。それにつれてチェスのうまい少年だった主人公がだんだんと狂気に支配されていくところのトビー・マグワイアの演技が良い。スパイダーマンで抜擢されたイメージが強いが、その前のサイダーハウス・ルールから注目していたので、スパイダーマンを離れて、マイ・ブラザーでも良かったので今後に期待。
ストーリーではソ連に強いチャンピオンが居て、主人公が挑戦する立場やけど、対戦できるようになった時には精神的にかなりおかしくなりかかっていて見ている側をやきもきさせる。ところが、盤石と思われたチャンピオンも実は同様にかなり参っていて変な行動を始めるところが変に面白かった。
時代背景はこの間見た「ブリッジ・オブ・スパイ」と同様に米ソが冷戦を繰り広げていた時期。チェスの戦いが米ソの代理戦争とみなされて、ニクソンやキッシンジャーまで登場する。原題の「Pawn Scrifice」は、チェスの駒の中で一番勝ちの低いPawnを犠牲にすることで、それ以上のものを獲ったり、局面を有利にするという意味らしい。チェスのチャンピオンを掛けて、精神をすり減らして戦ったプレイヤー達も、米ソ大国のエゴに振り回された駒にすぎなかったということか。
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2016年に観た映画
番号 | 邦題 | 原題 | 監督 | 評価 |
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3 | 完全なるチェックメイト | Pawn Sacrifice | Edward Zwick | 4.0 |
2 | ブリッジ・オブ・スパイ | Bridge of Spies | Steven Spielberg | 4.5 |
1 | スター・ウォーズ/フォースの覚醒 | The Force Awakens | J.J. Abrams | 4.8 |