映画レビュー
アメリカの作家ジョン・ベレアーズの児童向けファンタジー小説の映画化。主演登場人物は、少年ルイス(オーウェン・バカーロ)、叔父の二流魔法使いジョナサン(ジャック・ブラック)、ジョナサンの隣人の一流魔法使いフローレンス(ケイト・ブランシェット)に悪の魔法使いアイザック(カイル・マクラクラン)を加えた4人。
原作をよんでいないが、この映画に関してはストーリーを単純化しすぎているような印象を受ける。例えば、ジョナサンとフローレンスが長年探して見つけることができなかった隠された時計をルイスが簡単に見つけてしまうこととか、死者を蘇らせる禁断の魔法の管理がいい加減に見えるところ、アイザックほどの魔法使いがなぜ死んでしまったのかなど、スッと納得できない箇所がいくつもあって大人が観るにはちょっと厳しいかなと思う。
ケイト・ブランシェットというビッグ・ネームをキャストするところも中途半端。ケイト・ブランシェットは悪くはないが、この映画には無駄遣いと言わざるを得ない。いっそのこと、もう少し軽めの女優を充てて、子供向けに専念したファンタジーにしてしまった方が良かったのではないかと思う。
カイル・マクラクランはデビュー作「デューン/砂の惑星」と翌年の「ブルーベルベット」で強い印象を受けたが、映画ではその後の作品に恵まれず、「デスパレートな妻たち」など、もっぱらテレビで活躍していた俳優。久しぶりに映画で見て懐かしかった。
予告編
2018年に観た映画
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